陸上界に現れた152cmのニューヒロイン 激闘7日間の記憶…“4つの2位に涙”から“進学校で日本一”まで
7月30日から8月5日まで行われたインターハイ陸上。THE ANSWER取材班は、史上初の7日間開催、ナイターで繰り広げられた高校生たちの夏を追い、連日紹介してきた。ここで改めてそれぞれのストーリーを振り返る。インターハイは、日本一を決める大会だ。しかし、7日間を終えて強く残ったのは、順位表の一番上に記された名前だけではなかった。

「THE ANSWER 陸上PLUS|STORY」 滋賀インターハイ・平和堂HATOスタジアム
7月30日から8月5日まで行われたインターハイ陸上。THE ANSWER取材班は、史上初の7日間開催、ナイターで繰り広げられた高校生たちの夏を追い、連日紹介してきた。ここで改めてそれぞれのストーリーを振り返る。インターハイは、日本一を決める大会だ。しかし、7日間を終えて強く残ったのは、順位表の一番上に記された名前だけではなかった。
◇ ◇ ◇
滋賀の夏で最も輝いた一人が、吉永優衣(長崎日大3年)だった。
女子100メートルと100メートル障害の2冠。寺田明日香以来19年ぶり2人目の快挙だった。ただ、1年前には思うような結果を残せず、「ハードル、辞めようかな」と高校での陸上引退まで考えた。身長152センチ。ハードラーとして小柄な体格にも悩んだ。
それでも弱みに目を向けるのではなく、自分の強みを伸ばした。最後の夏、2つの日本一を掴んだ。
一躍、陸上界の次代を担うニューヒロインとなった高校3年生は「身長が低くてもタイムも順位も狙えることを証明できたかな」とほほ笑んだ。
日本一になった者がいれば、最後までその3文字に届かなかった者もいる。
阪真琴(佐久長聖3年)は、中学3年で進路を決めた時、両親に誓った。
「ここで日本一になります」
最後のインターハイ。400メートル障害は自己ベストを1秒24更新しながら0秒11差の2位。100メートル障害、マイルリレー、さらに学校対抗も2位だった。0秒11、0秒31、0秒39。近くて、あまりに遠かった日本一。
最後のマイルリレーを終え、阪は電光掲示板に上から2番目に表示された「佐久長聖」を見つめた。やがて仲間3人に声をかけ、観客からほとんど見えない場所で並んだ。
「ありがとうございました!」
優勝した選手たちの歓喜が響く中、いつもと同じようにトラックへ深々と頭を下げた。
「日本一は取りに行く人だけのものではなく、それにふさわしい人のもとに日本一が迎えに来る」
この1年間、ずっと大切にしてきた言葉だった。
最後まで「日本一」は迎えに来なかった。それでも、阪真琴は「日本一」にふさわしい陸上選手だった。
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)










