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突然の試合中止から半年…口にした本音「結構しんどい」 涙の3階級制覇した寺地拳四朗が求める日常

ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦が20日、東京・両国国技館で行われ、同級3位・寺地拳四朗(BMB)が同級4位イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)に3-0(117-109、116-110、115-111)の判定で勝利した。王座陥落と世界戦の中止という苦難を乗り越え、1年ぶりの再起戦で3階級制覇を達成。王者としての日常を取り戻し柔らかな表情を見せた。戦績は34歳の寺地が26勝(16KO)2敗、29歳のゴンサレスが32勝(12KO)6敗2分。

イスラエル・ゴンサレスに3-0の判定で勝利した寺地拳四朗【写真:山口比佐夫】
イスラエル・ゴンサレスに3-0の判定で勝利した寺地拳四朗【写真:山口比佐夫】

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦が20日、東京・両国国技館で行われ、同級3位・寺地拳四朗(BMB)が同級4位イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)に3-0(117-109、116-110、115-111)の判定で勝利した。王座陥落と世界戦の中止という苦難を乗り越え、1年ぶりの再起戦で3階級制覇を達成。王者としての日常を取り戻し柔らかな表情を見せた。戦績は34歳の寺地が26勝(16KO)2敗、29歳のゴンサレスが32勝(12KO)6敗2分。

 華麗に「最終章」の幕を開けた。寺地は序盤からジャブで牽制。距離を測り試合を組み立てる。2回に右のカウンターをヒットさせ、いきなりダウンを奪取。その後も上下に打ち分け、着実にダメージを与えた。

 しかし、6回はパンチが激しく交錯。次第に被弾が増えて、顔を赤く腫らした。10回は相手の猛攻で苦しい展開に。カウンターを合わせて主導権を握った。最終12回、「拳四朗」コールを背中に浴び、攻勢に出る。右ストレートで顔面を捉えて、2度目のダウンを奪った。会場が歓声に包まれる中、判定へ。結果は3-0の完勝。万雷の拍手が起き、涙が零れ落ちた。

 試合後は「1年ぶりの勝利は大きいですし、素直に嬉しい。本当に周りのサポートのおかげで感謝しています。ベルトが獲れて恩返しができた」と安堵の表情を見せた。

 寺地は2014年8月にプロデビュー。17年にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、8度の防衛に成功。22年11月には京口紘人(ワタナベ)との統一戦を制し、2団体統一王者に輝いた。

 階級を1つ上げ、24年10月にWBC世界フライ級王座を獲得。25年3月にはユーリ阿久井政悟(倉敷守安)との王座統一戦を制し、2階級目の2団体王座統一を果たした。

 しかし、昨年7月、リカルド・サンドバル(米国)戦で、判定負けを喫し、統一王座から陥落。同年12月に、サウジアラビアで、IBF世界スーパーフライ級王者だったウィリバルド・ガルシア(メキシコ)に挑戦する予定だったが、前日夜にガルシアが体調不良を起こし、試合は突如中止になった。再起と3階級制覇を懸けた舞台を目前で失い、寺地は涙を流した。

 今回の試合はスーパーフライ級転向初戦。この1年を振り返り「世界戦があるかも分からない状態で練習するのは結構しんどいものがあった。その中でこういうチャンスがもらえたのはありがたい」と感謝。階級を上げたことについて「体負けみたいなのはそこまで感じなかった。サウジからの半年間が逆に良かったのかな」と分析した。

 気を張っていた時期が長かったからこそ、試合後には何気ない日々を思い浮かべた。「家に帰ったら猫が待っているのでチュールをあげたい。勝って会うのが久しぶりなので日常の幸せというか……。日常に戻りたい。ちょっと猫とゆっくりしたい」と笑った。

 陣営は今試合からボクシングキャリアの「最終章」と位置づけている。寺地は「最終章のスタートがやっと切れたという感じなので、そこは本当に嬉しいです」。今後について「3階級での2団体王座統一の第1号にぜひなりたいなと思ってます」と力を込めた。

 2度の悔し涙を乗り越え、寺地は日本ボクシング界の未知の領域に向けて新たな一歩を踏み出した。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)



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