最後の100m、0秒03差で敗戦直後…雨に打たれ、勝者に捧げた敬意 ライバルは「敵というより同志」――甲南大・藏重みう
最後の日本インカレは0秒03差で2位だった。それでも、女子100メートルの藏重みう(甲南大4年)はレース後、勝者を笑顔で称えた。1年生で日本一になってから背負った重圧、勝てない苦しさ。その4年間を経た今、ライバルは「敵」ではなく「同志」になった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

「THE ANSWER 陸上PLUS|STORY」 日本インカレ・日産スタジアム(9/5-7)
最後の日本インカレは0秒03差で2位だった。それでも、女子100メートルの藏重みう(甲南大4年)はレース後、勝者を笑顔で称えた。1年生で日本一になってから背負った重圧、勝てない苦しさ。その4年間を経た今、ライバルは「敵」ではなく「同志」になった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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大学ラストの日本インカレ。最後までグッドルーザーを貫いた。
大会2日目の女子100メートル決勝。4レーンの藏重は号砲と同時に鋭く飛び出し、50メートル付近で柴藤凛(福岡大3年)と横並びになった。だが、ラストでわずかに競り負け、0秒03差の11秒81で準優勝に終わった。
印象的だったのは、その直後。トラックに一礼すると、雨に濡れながら柴藤を笑顔と拍手で出迎え、心から勝者を称えた。
「特に個人種目だと『他人は全員敵』みたいなイメージも抱かれるかもしれない。でも、長い人だと小学校時代から一緒に走って、大舞台で一番間近で見てきた。敵というよりも同志みたいな。他大学であっても、本当に仲間のようなイメージが強かったんです」
誰よりも「勝てない苦しみ」を知るからこそ、勝者に笑顔で向き合える。
中京大中京高3年夏にインターハイ優勝。甲南大に進学後、日本インカレで16年ぶりとなる1年生100メートル女王に輝き、名実ともに学生No.1スプリンターの称号を手にした。
だが、以降は苦しい時期を過ごした。一昨年はインカレで準決勝敗退、昨年は8位。一度勝てば、常に「優勝候補」としての期待を背負う。勝てなくなることへの恐怖心が、重圧に変わっていた。
「自分を追い込んでいた部分は少なからずあった。一度1位を獲ると、1位が獲れるものだと思ってしまうし、周りも1位を獲り続けることに価値を見出すもの。それができなければ、自分の価値が落ちてしまうんじゃないか、と思っていました」
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