心臓病で胸に20cmの手術痕→2年後にインターハイ 運動禁止半年、変わった人生観「何事もポジティブに」――環太平洋大・竹中隼人
胸に大きな手術痕を残した少年が、再び全国の舞台に立った。男子400メートル障害予選に出場した竹中隼人(環太平洋大2年)。心臓の持病を乗り越え、トラックに立ち続ける理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

「THE ANSWER 陸上PLUS|STORY」 日本インカレ・日産スタジアム(9/5-7)
胸に大きな手術痕を残した少年が、再び全国の舞台に立った。男子400メートル障害予選に出場した竹中隼人(環太平洋大2年)。心臓の持病を乗り越え、トラックに立ち続ける理由とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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降りしきる雨の中、トラックを駆け抜ける。高鳴る心臓の鼓動すら心地よい。
大会2日目の男子400メートル障害予選。3レーンの竹中は「オン・ユア・マーク」の合図に短く一礼し、スターティングブロックに足をかけた。
号砲とともに勢いよく飛び出し、予選突破の3着争いに加わる。300メートル付近から徐々に失速。懸命に粘ったが、53秒20の組5着に終わった。
「初めてのインカレで楽しかったんですけど……来年リベンジしたい」
そう振り返る表情には悔しさが滲んだが、大学陸上のキャリアで大きな一歩を記した。
陸上を始めたのは小4の頃。サッカーをプレーしていたが「走ることが楽しい」と、転向を決めた。だが、大きな障壁があった。先天性の心臓病「バルサルバ洞動脈瘤」だ。
大動脈の根元にある「バルサルバ洞」の壁が薄くなり、次第に瘤のように膨らむ病気。万が一破裂すれば、心臓への血流が増えることにより、呼吸困難や心不全などの命にかかわる症状を引き起こすこともある。
生後すぐに開胸手術を受けたが、年齢を重ねるごとに瘤は腫れあがり、中3の夏休みに2度目の手術を決断。「当時はめちゃくちゃ怖かったですね」。胸には今も、20センチほどの傷跡が痛々しく残っている。
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