[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「全く違う競技のような…」元侍右腕が感じた韓国野球 防御率7.41の苦闘…武田翔太が惑わされた“待ち方”

武田は韓国野球での発見を「勉強でした」と言う【写真:羽鳥慶太】
武田は韓国野球での発見を「勉強でした」と言う【写真:羽鳥慶太】

「日本の感覚で行くと沼っちゃう」惑わされた打者の“待ち方”

 さらに武田が「僕が想像していなかっただけかもしれませんが、日本とは同じところがあまりないかもしれない。基本的なルールや判定が全く違いますし、そこに日本人は悩むのかなと思いますね」と口にするのは、公式記録員の基準だ。「シンプルに、ヒットになりやすいんです。最初は一番びっくりした部分でした」。

「あまり言うと、角が立つかもしれませんが……」との前置きで語ったのは、ヒット、エラーの判定。「(野手が)打球の正面に入っていないと、はじいてもなかなかエラーにならない」。日本よりも、ヒットにしたがる傾向がある。そうすると自責点が増えるのを筆頭に、野球全体が打者有利に振れていく。韓国プロ野球で、打高投低が長年続く理由の一つともいえる。

 NPBで培ってきた感覚のままにプレーしていると「あれ?」という感覚をあちこちで覚えるという。「基本、全試合でありますよ。でもそれなりに慣れたので、もうやるしかないと考えるようにして」。たとえ33歳のベテランであっても、自分の側から変わらないと対応しきれない野球だった。

「日本の感覚で勝負しに行くと、沼っちゃう感じがします」と言うのは、打者の様子を見ながら投げたときに感覚の“狂い”を感じたからだ。「日本のバッターは真っ直ぐを前で打とうと待っている。だから変化球が来ても、ちょっと泳ぎながら対応できるんです」。一方の韓国の打者は、思い切りポイントを後ろに置いて真っ直ぐを待つ。日本だったら、「真っ直ぐ振り遅れてるな」と感じるところから、いきなりバットが出てくるのだという。

「日本のセオリーだと、速い球で追い込んでボールになる変化球で三振を取りましょうというのがありますけど、韓国でこのやり方にはめようとすると、ちょっとゾーンに入った変化球が、手が伸びたところでバットに当たるんです。そうすると力が伝わって長打になったりする。序盤は『なんでだろう』とずっと思っていました。試合や動画を見て研究していたんですが……」

 そのうちに、自チームの打者を見ることで理由がつかめてきた。「打席を終えてベンチに帰ってきた時に『今、何を待ってた?』と聞いてまわったんです」。やがて「あ、これは振り遅れているけど、真っ直ぐを待っているんだ」と気づけた。力任せに投げるのではなく、打者の反応を見ながら打ち取り方を考えてきた武田だからこそ、陥ったわなだった。

 そして、韓国の打者には球速がより有効であるのも分かった。「捕手寄りのポイントで待たざるを得ないので、もし153~155キロぐらいを投げられるのならかなり抑えられると思います。変化球が来ても詰まるだけなので。ただこれが145キロくらいだと、変化球に合わせる時間ができてしまう」。そう気づいてから、球速を上げるトレーニングに取り組んでいる。「来年どうするかというイメージを持ちながら、追い込みをかけてやっています」。筋肉痛のままマウンドに上がるのが日常だ。

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
ABEMA
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集