[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「全く違う競技のような…」元侍右腕が感じた韓国野球 防御率7.41の苦闘…武田翔太が惑わされた“待ち方”

準備を徹底する武田の姿勢は球団も高く評価した【写真:羽鳥慶太】
準備を徹底する武田の姿勢は球団も高く評価した【写真:羽鳥慶太】

「ちょっとはマシに」なるまで…日本人の適応に時間が必要な理由

 また、日本からアジア枠で韓国に渡ったのは全員が投手。それぞれ、ABSの下で好投するには慣れが必要だと口にする。武田も同じだ。

「ストライクゾーンの縦は韓国のほうが広くて、横は日本のほうが広い」。これはよく言われることだが、もう一つ慣れに時間が必要な理由があった。「球場ごとにゾーンが違うんです。みんな言っていることなんですが」。

 本塁に対して左右にずれているだけでなく、わずかに回転した形になっているような球場もあるという。これは現地の球界関係者も「機器の設置状況や角度で、ゾーンが異なっているように見えますね」と証言する。武田は「だからあまりABSのことは考えませんね。見逃し三振をバックドアの変化球で取りに行くときに『ここなら入るな』って狙うくらいです」と笑う。

 武田は7月に3度目の2軍落ちを経験し、8月の1軍復帰後はリリーフに転向。それからは9回で3失点と安定した投球を見せた。「ちょっとはマシになってきました」と感じるようになるまでの長い長い時間。ただこれは日本の投手に共通した傾向だった。

 世界の中で見ると、日本の投手はパワーに劣る分、技術と観察力を活かし独自の進化を遂げてきたといえる。ただこれは環境にある程度慣れて手の内に入れないと、力を十分に発揮できないのだ。実際にアジア枠の日本人選手で、いきなり好成績を残せた投手はひとりもいない。武田も言う。

「こっちに来たらルーキーみたいなものですから、勉強からだなと思ってやってきました。まるで他の種目をやっているくらいの違いに、みんな苦労しているんだと思います」

 アジア枠の日本人選手が、全員参加しているグループラインがある。「こんな時はどうすれば……」とささいなことから、疑問と回答が集積されている。韓国プロ野球では、育成外国人制度の導入など、枠の拡大を検討中だ。日本と韓国の常識がぶつかる場でもがいた武田たちの経験は、必ず次の世代に生かされる。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
ABEMA
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集