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世界8傑目前…エディージャパンは本当に強くなった? 9月3連勝、強敵フィジー撃破でも残る“最後の宿題”

ラグビーワールドカップ(W杯)オーストラリア大会開幕まで10月1日であと1年となる中で、9月のテストマッチシリーズを3戦全勝で終えた日本代表。世界ランキングで下位のカナダ(57-12)、アメリカ(63-14)はマストウインの相手だったが、パシフィックネーションズカップ(PNC)決勝の相手フィジー(同9位)には、20-15と2019年以来4試合ぶりの勝利で、5大会ぶりの王座奪還を果たした。この勝利で、世界ランクも12位から3年ぶりに9位とトップ8目前まで浮上。W杯オーストラリア大会で目標に掲げるベスト8突破のためにも、試金石となる11月のネーションズチャンピオンシップで次のステップを踏み出せるのか。9月の3連勝から、エディージャパンの進化とこの先の可能性、そして固まりつつあるW杯戦士の顔ぶれを考える。(前後編の前編、取材・文=吉田 宏)

フィジー戦に勝利して歓喜する選手たち、日本代表は本当に強くなったのか【写真:産経新聞社】
フィジー戦に勝利して歓喜する選手たち、日本代表は本当に強くなったのか【写真:産経新聞社】

ラグビー日本代表…9月の戦い総括/前編 ラグビーライター吉田宏氏が見る

 ラグビーワールドカップ(W杯)オーストラリア大会開幕まで10月1日であと1年となる中で、9月のテストマッチシリーズを3戦全勝で終えた日本代表。世界ランキングで下位のカナダ(57-12)、アメリカ(63-14)はマストウインの相手だったが、パシフィックネーションズカップ(PNC)決勝の相手フィジー(同9位)には、20-15と2019年以来4試合ぶりの勝利で、5大会ぶりの王座奪還を果たした。この勝利で、世界ランクも12位から3年ぶりに9位とトップ8目前まで浮上。W杯オーストラリア大会で目標に掲げるベスト8突破のためにも、試金石となる11月のネーションズチャンピオンシップで次のステップを踏み出せるのか。9月の3連勝から、エディージャパンの進化とこの先の可能性、そして固まりつつあるW杯戦士の顔ぶれを考える。(前後編の前編、取材・文=吉田 宏)

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 試合後のロッカーの中からは、繰り返し何度も勝利に歓喜する凱歌が聞こえてきた。5大会ぶりの“太平洋諸国”の王座奪還。それでも、会見場へ移動してきた指揮官の顔からは、選手たちに見せた笑顔は消えていた。

「この1年を振り返ると、接戦に持ち込みながら勝ち切れなかった試合が3試合あった。オーストラリア戦の2試合、そしてウェールズ戦です。その中で今夜勝ち切れたことは評価するが、1週間こだわって取り組んできたアタックはあまり機能していなかった。防御面で、ラインブレークが得意のフィジーを封じたことにはステップアップを感じていますが、汗でスリッピーな状況の中でも、アタッキングを強みに掲げているチームなので、更に精度、遂行力を上げていく必要がある」

 2024年にエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が復帰してから、2年連続でPNC決勝で苦杯を喫した相手からの、7年(4試合)ぶりとなる勝利。だが、そう遠くない未来に仰ぐ“高み”に辿り着くには、まだ十分じゃない。そんな思いが指揮官の表情と言葉から滲んでいた。

 辛めの採点をすれば、相手の反則とラインアウトに助けられた“金星”だった。現代ラグビーで得点源として重要なラインアウト成功率は、日本の87%に対してフィジーは63%(8度のうち3度失敗)と壊滅的な数値を残した。反則は、日本の5に対して敗者は14。とりわけ主導権のまさぐり合いが続く開始20分までの反則数では、更に0対5と明暗を分けた。それでもスコアは前半折り返して10-12。反則数、ラインアウトで圧倒的な優位に立ちながら、完全に自分たちのゲームに持ち込めなかったのは、フィジー戦までも毎試合課題に浮上した遂行力の低さが響いた。9月のシリーズで主将を担ったSH齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)は、こう振り返る。

「ボールキャリアーかサポートプレーヤーか(試合直後の時点で)わからないですが、ボールを失うシーンが多くてアタックを継続できなかった。事前にペナルティーからでも攻めていこうと話していたが、そこも遂行出来なかったのは一つの反省点だなと思う」

 日本は前半4度、敵陣の「レッドゾーン」と呼ばれる22mライン内に攻め込みながら、スコアに繋げたのは2回(1トライ、1PG)のみ。残り2回はラインアウトミス、アタックから相手にボールをターンオーバーされている。数値には表れないが、前半終了目前にも敵22mライン目の前のラインアウトを失敗してスコアチャンスを潰している。対照的に敗者は3度レッドゾーンに攻め込み2トライ。しかも、ほとんど攻撃フェーズをかけずに仕留めている。後半も日本は5度のレッドゾーンまで攻め込みながらスコアは2トライに終わっている。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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