世界8傑目前…エディージャパンは本当に強くなった? 9月3連勝、強敵フィジー撃破でも残る“最後の宿題”
目指す「超速ラグビー」に見て取れた進化
フィジー戦でインパクトを残したのは、前半38分のアタックだった。中盤エリアでの蹴り合いからSO伊藤龍之介(明治大4年)の仕掛けを、WTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)―CTBディラン・ライリー(同)―SH齋藤―再び伊藤―LOジャック・コーネルセン(埼玉WK)と、幅30mほどのスペースを5回のオフロードパスやハンドトスを交えたショートパスで繋いで、テンポを作り出しながらラックを形成。そこから再び齋藤―伊藤―PR竹内柊平(東京SG)で接点を作り、No8マキシファウルア(S東京ベイ)、WTBイノケ・ブルア(神戸S)、再び竹内と密集サイドを突く連続ラックで加速しながらの攻撃に、相手防御が対応し切れずにハイタックルの反則を犯している。
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結果的に自分たちのミスでスコアには繋げられなかったが、わずか30秒余りの攻撃で10本のパス交換から、フィジー相手に「仕留め」の状況は作り出せている。勿論、この10本のパスとラックからの球出しには、ダミーランで防御を引き付け、密集で集散を繰り返したLOハリー・ホッキングス(東京SG)、HO原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)、FL下川甲嗣(東京SG)らの黒子に徹したエフォートが効いているのも重要なポイントだった。
エディーが24年の就任時から掲げる「超速ラグビー」は、スピードを意識したオープンラグビーというイメージを持ちがちだが、この前半38分のプレーが象徴するように、細かなパス、ボールの継続や、アタックアングルの微細な変更などで、ボールがハイスピードで小刻みに動き続けるラグビー、つまり相手防御に容易には的を絞らせない姿が浮かび上がってきている。今季、このスローガンに敢えて「共に超速」という一言を加えたのも、一人の選手のスピード以上に、組織としての連動する速さに拘ることを意図したからだ。
そんな連動したプレーの進化、速さは、9月の僅か3週間の中で変化を見て取ることが出来た。フィジー戦2週間前のカナダ戦の後半20分。自陣22mライン付近のラックでの日本の反則にカナダNo8が速攻を仕掛けたが、その密集の中にいた日本選手4人中3人が、ボールを目で追ってしまい、素早い反応で次の防御に備えることが出来なかった。結果的にトライまで繋がれてしまったが、反応の悪さは攻撃面でも露呈していた。前半33分のCTB廣瀬が作ったラックへの集散の鈍さ、後半26分のFLコストリーのラックサイドを突く好判断のプレーへのサポートの遅れで攻撃を寸断されている。
このようなプレーで感じるのは、日本選手がまだ相手の動きを見てから、どうプレーするべきかを判断して動き出していることだ。多くのトップネーションズの選手は、次に起こることの可能性を頭の中で思い描きながら動くことで、動き始めの時間、反応時間を早めてプレーしている。だが、カナダ戦で反応が1歩遅れた数人の日本選手は、まだその領域に達してない。必要なのは単純な予想ではなく、経験値に裏付けされた、刻々と変化する状況に応じて、ここから起こり得る幾つかのケースを頭の中に持ち、その中で自分のやるべき最適なプレーを選択していく予測する能力。「見て、動く」のではなく「想定しながら次に備える」プレーが、8強圏内に浮上するには必要だ。
それがフィジー戦では、38分のアタックのように、桜のジャージーの15人がプレーの流れの中で、自分自身がどう動きパスを受ければいいか、どうポジショニングを取り、サポートするのかという判断に基づいて動けていたからこそ、連動的なアタックを見せることが出来たと評価するのは、些か持ち上げ過ぎだろうか。
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