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“NPB経ずMLB行き”を考える 待遇は改善、淘汰は過酷…米マイナーの実態 1プレーで烙印「誰も言ってくれない」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「NPBを経ずMLBを目指す進路を考える」。

最近では横浜高・織田翔希がNPBを経ずにアメリカ球界を目指すことを表明した【写真:戸田湧大】
最近では横浜高・織田翔希がNPBを経ずにアメリカ球界を目指すことを表明した【写真:戸田湧大】

「Sports From USA」――今回は「NPBを経ずMLBを目指す進路を考える」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「NPBを経ずMLBを目指す進路を考える」。

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 日本のプロ野球を経ずにメジャーリーグを目指すという進路が注目されている。2012年10月のドラフトで、日本の高校からメジャーを目指すとした大谷翔平は日本ハムに指名された。このとき、日本ハムは大谷にNPBを経由してメジャーを目指す道を提示して口説いた。当時の日本ハムの説明は、日本のプロ野球は選手を引き上げる仕組みだが、メジャーは選手を淘汰する仕組みだというものだった。

 あれから14年が経った。マイナーリーグの淘汰の厳しさはあまり変わっていないかもしれない。しかし、引き上げる仕組みという意味での育成と、マイナーリーガーという労働者の権利という面では変化があった。今回は、その変化と、今年メジャー昇格を果たしたホワイトソックスの西田陸浮選手の言葉から、今のマイナーリーグをお伝えしたい。

 ひとつの事例をご紹介したい。アリゾナでスプリングトレーニングをしているレンジャーズとロイヤルズは、キャンプ地の球場から道路を挟んだ場所に選手寮を作った。レンジャーズは2020年、ロイヤルズは2021年にオープンさせた。外から見るとアメリカの手頃な価格帯のホテルのような建物だ。

 2022年8月にレンジャーズの運営本部長だったポール・クルーガーさんに寮について話を聞いた。動作解析やボールの動きを測定できる機器を入れたトレーニング施設があり、ここで球団のコーチやトレーナーから年間を通じて無料で指導を受けることができるということだった。オフ期間もこの寮で生活できる。クルーガーさんは日本にもたびたび視察に訪れていて、日本のプロ野球の寮についても知識があり、参考にしたとも言った。2022年からは全球団とも、傘下のマイナー選手に球団負担で住居や滞在するための部屋を用意することになった。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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