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400mHの素人だから「U18世界最高を出せた」 偉業のウラに意外な分析…洛南で名伯楽に鍛えられた「脳」――洛南・後藤大樹

インターハイで13度目の総合優勝に導いた柴田博之監督【写真:井上学】
インターハイで13度目の総合優勝に導いた柴田博之監督【写真:井上学】

「脳を鍛える」が洛南高の特徴 「筋肉は鍛えても可逆性の原理がある」

 基本的なトレーニングに加え、「脳を鍛える」ことも洛南高の特徴だと柴田監督は言う。

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「冬期のミーティングでよく、その話を選手たちにするんです。筋肉は鍛えても可逆性の原理があるので、何か月かしたら落ちてしまうことがありますが、脳に刻まれた記憶は残っていきます。その話が後藤はどはまりして、取材でそのことを話しているんです」

 トレーニングで動きの感覚を身につけ、その感覚を再現するにはどういう動きを、どんな意識で行えばいいのか。何も考えずにできてしまった、ではなく、自分の考えでパフォーマンスをコントロールする。洛南高のトレーニングを行っていれば自然と力が付くが、その中でもパフォーマンスが高い選手は主体的な考えを持って行動できる選手だという。そして後藤は、さらに一段上の主体性がある。

「私が練習や試合出場のプランを言うと、だいたいの高校生は疑問を持たずに受け容れてくれるのですが、後藤は『先生、僕はこうしたいんですけど』と言ってきます。木南記念で『14歩をやりません』と言ってきたこともそうですし、日本選手権決勝前のウォーミングアップを、200mをやる予定でしたが『短い距離でやりたいんです』と言ってきて、120mに変更したこともそうです」

 ハードなトレーニングも、脳を鍛えることになる。一例として砂浜で50mダッシュを10本5セットという冬期に行うメニューを挙げ、「数年前に参加した桐生は気を失いかけていました。今の時代からしたらスマートじゃないし、這ってでもゴールにたどり着く練習」だと柴田監督は言う。

「後藤も400mハードルはきつくて嫌いだと言っていますが、冬期にやった練習に比べたら大したことはない、と言っています。脳の記憶が、このくらいなら大丈夫と思えるんです」

 日本選手権でのU18世界最高記録は専門的な練習ではなく、後藤の脳が鍛えられた成果だったのかもしれない。

(寺田 辰朗 / Tatsuo Terada)

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