「まじでえぐい!」「最高!」 全中から3年、最後の夏…隣同士の2人が紡いだ「40秒のライバル物語」――市立船橋・片山瑛太、洛南・土井カハル

勝負を超えた先で…ミックスゾーンで抱き合った2人が交わした「ありがとう!」
逃げる土井、追う片山。
片山が鋭い加速で食らいつく。20メートルほどで肩が並ぶ。だが、土井は譲らない。腕を振り、脚を回し、懸命に前へ前へ。
残り50メートル。歓声は次第に、悲鳴にも似たものに変わっていく。
最後の追い込みで片山がわずかに前へ出る。土井も粘る。2人は、ほとんど同時にフィニッシュラインに飛び込んだ。
電光掲示板に表示されたのは――。
「1着 市立船橋 39秒60」
「2着 洛南 39秒72」
わずか0秒12差で決着。3年ぶりの王座奪還。勝ったのは市立船橋だった。でも、この40秒に敗者はいない。
彦根城が見下ろすスタジアムでナイター照明に照らされ、健闘を称え合う片山と土井の笑顔がそれを証明していた。
ミックスゾーン。引き揚げてきた2人は互いを見つけ、どちらからともなく抱き合った。
「いや、まじでえぐい!」(土井)
「楽しかった! 最高!」(片山)
「環境は違えど、全中決勝から3年間かけて高校のトップに戻ってきた。お互いに『よく頑張ったね』と」と片山は笑い、土井は「これで瑛太との勝負が終わったわけではない。ここからまたぶつかり合うことがある。これからも刺激し合っていきたい」と誓った。
2人を繋いでいたのはリスペクト、友情、そしてもうひとつ。最後に握手を交わし、掛け合った言葉に3年間が滲んだ。
「ありがとう!」
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
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