そりゃ強いわけだ 陸上100mに現れた逸材…今季GP4勝、半導体研究に励む国立大院生24歳の思考論――山本匠真

文武両道の秘訣は「スケジュールを逆算して…」
「スケジュールを逆算して、やれることをやるという感じです。研究は頑張ろうと思えば、キリがないので『ここまでは最低限やる』というラインを決める。『この期限までにこれをやる』と節目をおいて頑張る。時間を自由に使える研究室なので、人と走れる時間に練習して、昼に研究するもの、夜に研究するものとか、あまりこだわらずに、空いた時間に研究する。それで空いている時間で練習を進めています」
競技でも研究でも、現状を把握し、やるべきことを細分化し、1つずつ潰していく。その思考は共通しているようにも映る。
9秒台が現実味を帯びる10秒04、10秒05を立て続けに出しても、浮つかない。「まだまだ(9秒台には)壁があるというか、まだ力不足かなという感じですね。まだ9秒台を出せる準備ができていない。今は風に頼らずに、10秒0台を安定して出せることを目標にやっていきたい」。さらなる技術、フィジカルのレベルアップに励んだ先に9秒台を見据える。
伸びしろも具体的に見えている。「取り急ぎできるのは、やっぱり足首」という。ボックスジャンプなどの跳躍系がまだ強くなく、接地時間にも改善の余地があるという。ウェートトレーニングの出力も含め、今後の強化ポイントとする。
自分をよく分析し、課題を具体化する。目の前に小さなゴールを置き、そこから必要な準備を逆算する。そして、結果が出ても目標を必要以上に上方修正せず、1段ずつステップを踏んでいく。
半導体研究と陸上。2つの世界で積み重ねを続ける山本の言葉を聞いていると、自然と思わされる。そりゃ、強いわけだ。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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