失意の涙から1年…大東大の日本人エース、快走で4連覇貢献 復活呼んだ周囲の声【関東大学女子駅伝】
全日本大学女子駅伝(25日・宮城)の関東地区予選を兼ねた関東大学女子駅伝は3日、千葉ニュータウン周回コースの6区間、34.4キロで行われ、大東文化大が大会新の1時間49分51秒で4連覇を達成した。日本人エースの4年・野田真理耶は5区(7.3キロ)で23分27秒の区間新記録をマーク。1年前の全日本大学女子駅伝での失意を乗り越え、完全復活を印象づけた。

「THE ANSWER 陸上PLUS|NEWS」 関東大学女子駅伝
全日本大学女子駅伝(25日・宮城)の関東地区予選を兼ねた関東大学女子駅伝は3日、千葉ニュータウン周回コースの6区間、34.4キロで行われ、大東文化大が大会新の1時間49分51秒で4連覇を達成した。日本人エースの4年・野田真理耶は5区(7.3キロ)で23分27秒の区間新記録をマーク。1年前の全日本大学女子駅伝での失意を乗り越え、完全復活を印象づけた。
野田が晴れやかに笑った。4区終了時点で大東大は2位・順大に1分15秒差のトップ。そのリードを受けて走り出すと、区間2位の田島愛理(順大)に26秒差をつけ、チームのリードを1分41秒まで広げた。前回大会で本間香(城西大)が樹立した23分31秒を4秒更新する区間新。3週間後の大一番へ、快走で弾みをつけた。
「リラックスして、いい走りができた。全日本で優勝するために、関東でいい流れ、感覚をつかまないといけないと思っていた。通過点としていい走りだったと思う」
1年前の苦悩が、野田を強くした。昨年7月に膝を痛め、その後は仙骨も痛めるなど故障が重なった。復調途上で迎えた昨年10月の全日本大学女子駅伝は、悩んだ末に出場を決断。しかし、アンカーの6区で区間15位。トップでタスキを受けながら逆転を許し、チームは2位だった。「何で走ったんだろう…。走るべきじゃなかった」。自責の念にかられ、涙が止まらなかった。
押しつぶされそうな心を救ったのは、仲間や応援してくれた人たちの声だった。
「走ってくれてありがとう」
チームメートは野田の表情を気にかけ、何度も何度も声をかけ続けてくれた。大東文化大を応援する人たちからも、レース後のゴール付近で温かい言葉をもらった。野田が積み重ねてきた努力も、走ると決めた覚悟は多くの人が知っている。だからこそ、仲間は誰1人として責めなかった。そんな周囲の心遣いと言葉に救われた。

「気持ち的にも救われた面もあるんですけど、それ以上に、絶対にこの温かく応援してくださる方々のために、優勝っていうものを届けたい。その思いが強くなりました」
必死にリハビリに励み、走れない間もできることに徹した。上半身を鍛えたことで、腕振りもコンパクトかつ力強くなった。苦しい時間をただ耐えるだけではなく、自らを見つめ直す時間に変えた。
雪辱への思いは、競技人生そのものも変えた。
昨年7月のワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソンで銅メダルを獲得するなど、女子大学長距離界のトップ選手の1人。それでも、もともとは大学で競技を引退する予定だった。卒業後はスポーツ系のアパレル業界に進み、シューズの販売など、陸上経験を生かした仕事に就きたいと考えていた。
しかし、3年だった昨年12月頃に進路を大きく方向転換。来季以降も強豪実業団で競技を続ける。
「ケガをしたことで、このままでは終われないと思ったんです。去年はケガをして、優勝できなかったのはつらかったけど、それとともにプラスなことも起きた。そこはよかったのかな」
苦悩と向き合った時間が、競技を続ける決意につながった。
大学ラストイヤー。大東文化大が目指すのは、あくまで日本一だ。野田は「今年は全部が最後。来年がないので、悔いが残らないように完全優勝をみんなで勝ち取ります」と力を込めた。区間15位に沈んだ涙から1年。日本人エースが強くなった。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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