44歳・上野由岐子、年齢は「練習を休む言い訳に」 アジア大会7連覇に決意、見据える2年後ロス五輪
ソフトボール界のレジェンド、上野由岐子(44=ビックカメラ高崎)が、アジア大会での7連覇を誓った。愛知・名古屋アジア大会開幕(9月19日)まで1か月の19日、日本選手団の結団式に先立って選手取材会メディアサミットが行われ、上野はソフトボールの一員として登壇。自国開催への決意、勝つことへの覚悟と責任、年齢への思いを明かした。

アジア大会結団式
ソフトボール界のレジェンド、上野由岐子(44=ビックカメラ高崎)が、アジア大会での7連覇を誓った。愛知・名古屋アジア大会開幕(9月19日)まで1か月の19日、日本選手団の結団式に先立って選手取材会メディアサミットが行われ、上野はソフトボールの一員として登壇。自国開催への決意、勝つことへの覚悟と責任、年齢への思いを明かした。
チームウェアに身を包んだ上野は、エース後藤希友(25)、石川恭子主将(30)、三輪さくら(27)、とともに多くのメディアが待つ会見室に現れた。緊張気味の三輪らと比べ、44歳は笑顔で余裕たっぷり。94年広島大会以来32年ぶりとなる自国開催のアジア大会への決意をはっきりと口にした。
「東京オリンピックは無観客だったので、自国開催のアジア大会への思いは一層強い。強い日本代表を見せられるような試合がしたいと、強く意気込んでいます。アジアで負けるわけにはいかない。そういう強さを一人一人が自覚と責任を持って戦っていかなければいけない大会だと思います」
アジア大会のソフトボールは1990年北京大会から正式競技となった。3大会連続準優勝の後、初めて頂点に立ったのが20歳の上野が初出場した2002年の釜山大会。以来6大会連続優勝し、今回は7連覇を狙う。自身の進退も含めて、大会を語った。
「アジア大会という大きな大会に、7回も携われるとは思っていなかった。今回がきっと最後になるだろうなという思いはあります。だからこそ悔いのない大会にしたい。一人一人の強さがあって、初めてチームとしての強さがある。私自身も一選手として期待に応えられるパフォーマンスをしたい。連覇のプレッシャーはあるけれど、それに負けているようでは世界一にはなれないと思います」
初優勝した20歳と44歳の今、決して選手寿命が長い競技ではない。それでも、昨季の国内JDリーグでは19試合に登板して10勝、防御率1.42で東地区3位とトップレベルに食い込んでいる。スタミナ面の衰えもあるはずで08年北京五輪の「上野の413球」のような連投も難しいだろうが、長年積み重ねてきたピッチングには自信もみせる。
「釜山(アジア大会)の時には、若い時にしかできないピッチングがあった。年を重ねると同時に経験も重ね、今しかできないピッチングもある。それで、まだチームの力になれる。投げる場所があることに感謝しながら、マウンドに立ちたい」
7月に44歳になった。一回りどころか二回りも若い選手と一緒にプレーする。投手という過酷なポジションで、プレーを続けていけるのはなぜなのか。活力の源はどこにあるのか。年齢をどう考えるのか。「年齢を、練習を休む言い訳にはさせてもらってます」と笑わせた後、正直な気持ちを口にした。
「プレーをするのに年齢を考えることはないし、それはどの(ベテラン)選手も同じじゃないかなと思います。根底にあるのは好きだから続けているということ。年齢ができない理由にはならない。自分ができるかできないか、その答えを求めている結果が今なのかなと。それは、サッカーのカズ選手(J3福島FW、59歳)も同じなんじゃないかと思います」
ソフトボールやサッカーに限らず、あらゆる競技でベテラン選手が活躍している。そういう他競技の選手の活躍が刺激になっていることも明かした。そう遠くない引退、進退を考えながらプレーするからこその強みにも言及した。
「同じ40代の選手が頑張っている姿が、私も頑張れるのかな、頑張ってもいいのかなという気持ちにさせてくれる。年を重ねれば重ねるほど、終わりを見ることも増えてくる。まだできるんじゃないか、そろそろやめた方がいいのか、といろいろな思いを背負いながらやっているからこそ、他の選手には出せない味のあるプレーができると思うんです」
他の競技と違って、五輪への出入りを繰り返す困難とも戦ってきた。初めて金メダルを獲得した08年北京大会以降実施競技から除外されたが、復活した21年東京大会で金メダル獲得。2大会ぶりに実施される28年ロサンゼルス大会は46歳で狙う。20年かけての3連覇に向けた思いも強い。
「このアジア大会が最後になるだろうなと思いながらも、すでにロスに向けて走り出している。今だからできること、今しかできないことをしっかりやって、ロスへ向けていいスタートを切りたいと思います」
上野の集大成になるであろう2年後の五輪、そこに向けて重要になる自国開催のアジア大会。鉄人は、ソフトボール人生のすべてをかけて2年間を走り抜ける。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
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