車のセールスマンがくらった“指名漏れ” 韓国プロで守護神になるまで…海外2か国で見つけた「別の道」――飯村将太

台湾経由、韓国で初めてプロ選手に…超人気球団で「顔バレするんです」
ドラフト指名はかなわなかったが、野球で上を目指したいという気持ちが萎えたわけではなかった。社会人の同期から縁がつながり、台湾の社会人チーム「台中台壽霸龍」の日本人コーチから「投手を探している。もう少し、どこかで勝負してみてもいいんじゃないか」と声がかかった。実は、台湾プロ野球の中信兄弟の傘下チーム。国は違っても、プロへの道はあると考えたのだ。
台湾で2年目を迎えた今年5月、実際に大チャンスが巡ってきた。中信兄弟の入団テストを受けないかと声がかかったのだ。ただ台湾プロ野球で、1軍の外国人枠は4つ。その時点で「自分は8番目だったんです」と、とてつもなく遠く感じた。さらに「みんなのんびりしていて、結構動きが遅いんですよね」。テストでの感触は悪くなかった。契約するのか、しないのか……。宙ぶらりんになりかけたところに、韓国ロッテのスカウトがやってきたのだ。
「もう、すぐ行こうと決めて。韓国で勝負したほうがいいと。アジア枠は1人じゃないですか」。今季、韓国プロ野球に生まれたアジア枠は、10球団に1つずつ。ロッテは京山将弥投手(元DeNA)に代わる選手を探しており、自分が腹さえ決めれば待つ必要はなかった。6月18日に入団が発表され、即チームに合流。6月27日にはリリーフで初登板した。
国は違っても、プロ1軍の最前線。環境の違いには驚いた。「施設、環境……。ファンの多さには本当にびっくりしましたね」。プサンでは本拠地球場のそばに住んでいる。「休みの日に出歩くじゃないですか。顔バレするんです」と笑う。「飯村か? と聞かれて『サインください、写真撮って』が続く感じです」。常にファンの目にさらされる環境。もちろんグラウンドの中にも違いがあった。
「自分は初めてのプロなので、普通にレベルが高いと思いますけど……」という中で見つけた日韓の違いを「投手も野手も、パワーに寄った選手が多いとは思います。投手で言えば、低めのコーナーにしっかり投げて抑えるとかではない感じがしますね」と表現する。
飯村の球速は、リリーフなら平均150キロに迫る。韓国では最速153キロを記録した。それでも「自分はまっすぐで押しまくるタイプというよりも、左右、高め低めって散らして抑えてきたので、投球スタイルは変えていません」。クイックモーションや、投球の間を変えるなど、総合力で抑える日本人らしいスタイルで、他の投手との違いを生み出そうとした。
「リリーフなのであまり球種を使っていないんですけど、どのボールでもストライクを入れられて、勝負できるというのが評価されていると思います。カウントを悪くすると、こっちの打者はパワーがあるので長打を浴びやすくなる。その前にバッティングカウントにならないよう、先に追い込めるピッチングができると思うので」
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