韓国でホールド王になった日本人右腕「野球が全然違う」 杉本幸基が“韓流”に染まるまで…最愛アイドルから返事も
今季、韓国プロ野球には10球団にひとりずつの「アジア枠」が誕生し、日本からも途中加入を含めた11人が海を渡った。最初から順調に進んだ選手はひとりもいない。それぞれが現地の流儀を前に、もがくシーズンを送った。その中で最大の成果を残したのが、四国アイランドリーグの徳島からKTウィズ入りした杉本幸基投手だ。最多ホールドのタイトルに輝き、チームのレギュラーシーズン1位にも貢献した右腕に、日韓の“違い”を聞いた。(取材・文=羽鳥慶太)

日本の独立リーグから韓国1軍のホールド王に…1年間でどう変わった?
今季、韓国プロ野球には10球団にひとりずつの「アジア枠」が誕生し、日本からも途中加入を含めた11人が海を渡った。最初から順調に進んだ選手はひとりもいない。それぞれが現地の流儀を前に、もがくシーズンを送った。その中で最大の成果を残したのが、四国アイランドリーグの徳島からKTウィズ入りした杉本幸基投手だ。最多ホールドのタイトルに輝き、チームのレギュラーシーズン1位にも貢献した右腕に、日韓の“違い”を聞いた。(取材・文=羽鳥慶太)
「やってる野球が全然違うと思います。日本は技術というか、相手を見ながら裏をかいたりする部分が多いですが、韓国はどちらかと言えばパワー対パワーの勝負になる。自分の力がなかったら絶対負けますしね」
杉本は日大4年だった2022年の秋にプロ志望届を提出したが指名漏れ。独立四国アイランドリーグの徳島に進んだものの、3年間で目立った成績を残すことはできなかった。NPB入りをあきらめかけたところに届いたのが、KTからの誘い。昨秋からいち早くチームに合流し、150キロを超えるスピードボールで注目されたものの、成績につなげることがなかなかできなかった。
開幕1軍を果たし、リリーフで投げ続けたものの5月28日に1軍登録を抹消された。この時点での防御率は6.48。ただ2軍調整の期間で韓国野球への適応は大きく進んだ。1軍復帰後、7月には13試合に投げ1勝8ホールド、防御率1.38の好成績で月間MVPの候補入りしたほどだ。最終的に73試合に登板して1勝2敗、リーグ最多の25ホールドを記録し、タイトルに輝いた。
韓国プロ野球は、各種のテクノロジーを日本よりも早く導入した。今春のワールド・ベースボール・クラシックで話題になったピッチクロックやピッチコムだけでなく、大規模な映像判定センターを稼働させ、ハーフスイングやアウト・セーフも疑問が出ればその場で白黒をつける。そしてストライク・ボールの判定も、弾道追跡技術とAIが行い、球審はこれをコールするだけというフルABSシステム、いわゆるロボット審判となった。
ABS導入の結果、捕手の動きに日本とは大きな違いが生まれている。機器による判定のため、ボールになる変化球を振らせるのが難しいのだ。杉本は「ここでは捕手がミットを左右に構えませんね。大まかに構えて、ABSのゾーンに思いっきり投げ込んで来いという感じなんです。自分は最初ちょっとそれに戸惑って……」。日本ではバッテリーが細かく意思疎通しながら試合を作っていく。それがここでは、投手の意志の割合が大きい。
「大ざっぱに構えてくるので、自分としてはボールが欲しいのか、ストライクが欲しいのかというのが最初わかりづらくて。そこをあいまいに投げた時に、ポンポン打たれてしまったんですよね」
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