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韓国にいたNPBドラフト候補「やっと意識できる」 1軍ホールド王で得た自信…「無理だろう」が「今なら」に――杉本幸基

プロ野球のドラフト会議が10月22日に行われる。近年は海外でプレーしている選手の名前が呼ばれることも増えてきた。今年は韓国にも指名候補がいる。それもアマチュアではなく、すでに韓国プロ野球KBOリーグでタイトルを獲得した選手だ。大学時代の指名漏れから4年、「やっと意識できる」というところまで成長できた裏側を聞いた。(取材・文=羽鳥慶太)

試合で力投する杉本【写真:KTウィズ提供】
試合で力投する杉本【写真:KTウィズ提供】

吉田輝星との対戦から8年…韓国プロでタイトル獲得「野球がうまくなった1年」

 プロ野球のドラフト会議が10月22日に行われる。近年は海外でプレーしている選手の名前が呼ばれることも増えてきた。今年は韓国にも指名候補がいる。それもアマチュアではなく、すでに韓国プロ野球KBOリーグでタイトルを獲得した選手だ。大学時代の指名漏れから4年、「やっと意識できる」というところまで成長できた裏側を聞いた。(取材・文=羽鳥慶太)

 韓国プロ野球で今季、レギュラーシーズン1位のKTウィズで投げた杉本幸基投手は、73試合に登板して1勝2敗25ホールド、防御率5.90を残し、最多ホールドのタイトルに輝いた。最速154キロの右腕。シーズン中には、日本の複数球団が韓国にスカウトを派遣した。

「野球人生の中で、たぶん一番うまくなったと思うんです。この1年で」

 韓国・スウォン(水原)の球場に杉本を訪ねると、こう言って端正なマスクをほころばせた。韓国プロ野球には今年、各球団ひとりずつの「アジア枠」が誕生。その1期生として国境を越えたチャレンジが、まずはタイトルという形で報われたのだ。

 杉本は大垣日大高(岐阜)で2018年夏の甲子園に出場。吉田輝星投手(オリックス)が注目を集めた金足農高(秋田)と2回戦でぶつかった。3-6で敗れて高校野球を終えたものの、杉本は3回からリリーフし、吉田から安打も放った。その後は日大に進学。4年秋にはプロ球団からの調査書も届いた。「プロというか、NPBにしか興味がなくて……」。社会人からの誘いを断りプロ1本で待ったが、縁がなかった。

 プロへの道を求め、2023年からは独立の四国アイランドリーグ・徳島で3年間投げた。ただ1年目は右ひじを痛め、防御率6.91に終わる。迎えた2年目、韓国球界に目が向くきっかけがあった。同僚だった白川恵翔投手が、6週間契約の代替外国人選手として韓国プロにチャレンジし、SSGランダースと斗山ベアーズで投げた。大観衆の前で、先発ローテーションを守る仲間を見て「海外で野球をするのも全然ありだな」と思い始めた。

 そしてNPB入りへ勝負と位置づけていたこの年、夏場にウイルス性髄膜脳炎にかかってしまう。「10日間意識不明で、もう野球は無理だとも言われたんですけど奇跡的に回復して……」。グラウンドには戻ったが、スカウトにアピールすることはできなかった。「2年で無理だったらやめようと思ったんですが、ここでやめたらちょっと悔いが残るなと」。3年目の昨季は42試合に投げ防御率3.05だったが、指名はなし。年齢を重ね、心も揺れ動く。

「8月くらいの時点で、もうNPBは無理だろうと思っていたんです。他の投手と成績を比べたり、スカウトの反応を見ても。でもその時、韓国のスカウトが見てくれていると知ったんです」。オフにKTから入団オファーがあると「めっちゃうれしかった」と即決。秋季キャンプからチームに合流した。

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