車のセールスマンがくらった“指名漏れ” 韓国プロで守護神になるまで…海外2か国で見つけた「別の道」――飯村将太

シーズン最後は抑えに抜擢…海外では「ダメでも別の道が開ける」
投球のストライク・ボールが、弾道追跡技術とAIで判定される“ロボット審判”についても「あまり意識しないで投げられています」と言う。ただ多くの日本人投手が指摘しているように、このゾーンが球場によって、さらに日によっても違うのだという。そうなると、審判によって判定の傾向が表れる日本のシステムと変わらないことになる。
ただリリーフ登板では、どこまでストライクと判定してくれるのか探りながら投げる時間はない。「キャッチャーがゾーンの際に構えた時は、そこがきょうの“いっぱいいっぱい”なんだなと思って投げる感じです」。
慣れる時間は必要だった。7月末まで、13試合に投げて防御率9.00。それが8月には7試合で1勝4ホールド、防御率2.45と一変した。すると監督に呼ばれ「きょうから抑えをやってほしい」とポジションの変更を告げられた。「何も変える必要はない。今まで通りやってくれればいいからと……」。シーズン最後の1カ月を、抑え投手として駆け抜けた。最終的に34試合に登板して2勝4敗6セーブ、防御率6.11。韓国で過ごした4カ月を今「本当に、来てよかったです」と言える。
かつての飯村と同じように、NPBに行けるか、行けないかというところで扉が開かなかった選手は、今年もたくさんいる。そこで海外に活路を求めるケースが、少しずつ増えている。大リーグや国際大会での活躍で、日本人選手の評価は上がり、さらに韓国のアジア枠のような制度の変更も後押しする。飯村に「NPBに行けなかった他の選手に、海外野球を勧められますか?」と聞くと、こんな答えが返ってくる。
「自分はあまり環境を気にしないで、順応できるタイプだと思うんです。中にはそうではない人もいるとは思うんですが……。でもチャンスがあれば、1回行ってみたほうがいいと思うんです。よければ先につながるし、ダメでも別の道が開けたりするので」
順応性の高さは、こんな言葉からも感じられる。「外国に行ったら、そこのものを食って生活するしかないじゃないですか。なので全然慣れるというか、気にしないです。そういうものなので。韓国はメシがめっちゃうまいので助かりますけどね」。
10月10日、LGとの今季本拠地最終戦で、飯村は3-3の同点で延長10回に登板。決勝点を奪われた。ベンチで浮かべた涙が中継カメラにとらえられると、SNSにはファンから励ましの声が並び、プサン市長まで「泣かないで。あなたの涙はロッテ優勝の種になる」とメッセージを送った。指名漏れから始まった道は、意外なところで花をつけ始めている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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