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開幕10日前に体制変更…新生ジークスター東京、白星発進ものぞいた不安 悲願の初Vへ険しい道

新生ジークスター東京が、苦しみながらも新しいシーズンを白星でスタートさせた。3年目を迎えたハンドボール・リーグHの開幕戦が各地で行われ、昨季3位のジークはホームのアリーナ立川立飛で同11位の富山ドリームスと対戦。33-26(前半17-16)で勝ったものの、ミス連発で不安ものぞかせた。

ジークスター東京の部井久アダム勇樹(昨季撮影)【写真:横田美咲】
ジークスター東京の部井久アダム勇樹(昨季撮影)【写真:横田美咲】

 新生ジークスター東京が、苦しみながらも新しいシーズンを白星でスタートさせた。3年目を迎えたハンドボール・リーグHの開幕戦が各地で行われ、昨季3位のジークはホームのアリーナ立川立飛で同11位の富山ドリームスと対戦。33-26(前半17-16)で勝ったものの、ミス連発で不安ものぞかせた。

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 強豪らしくないバタバタぶりだった。特に前半はミスが目立った。簡単なパスを失敗してボールを奪われ、速攻から失点。守備でも連係の悪さから簡単に相手をフリーにした。この日両チーム最多の7得点のLB部井久アダム勇樹が豪快なミドルシュートを決めても、すぐに追いつかれる展開。大勝を期待してスタンドを埋めたファンからは、ため息まで漏れた。

 シーズン前からバタバタだった。3年間指揮をとった佐藤智仁監督(41)が6月に終了した昨季限りで退任。直後には引退したばかりの信太弘樹氏(36)が新監督に就任した。7月には21~23年にチームでプレーした元フランス代表のリュック・アバロ氏(42)が戦略アドバイザーとしてスタッフ入り。8月のパリSGとの親善試合は信太監督、アバロアドバイザーで臨んだ。

 ところが、10月に入ってチームは体制変更を発表。アドバイザーのアバロ氏が新監督となり、信太氏はチームオペレーションディレクターとしてコーチを兼任することになった。それまでも実質的にはアバロ氏が指導する場面が多く影響は少なかったとはいえ、開幕10日前の発表は衝撃的だった。

 新体制での準備期間が短かった上に、先月まで行われていたアジア大会も響いた。今季、豊田合成ブルーファルコン名古屋から移籍したLB水町孝太郎とレッドトルネード佐賀から移籍のRW中田航太を含めて大量7人が代表入りしていたからだ。

 前半の内容に危機感を抱いたエース部井久は後半開始直前、チーム全員を集めて声をかけた。「前半はチームよりも個を考えてプレーしたように見えた。そこは話しましたし、ディフェンスをもっと激しくいこうとも言いました」。

 後半は強度のある守備が戻り、PV玉川康博の連続ゴールなどで突き放した。水町と同じく豊田合成から移籍したGK宮城風太が相手のシュート15本中9本を止める活躍も大きかった。「開幕戦は難しいもの。勝ててよかった」と、初陣となったアバロ新監督もホッとした表情で振り返った。

 勝ったものの「好発進」とは言えないほど課題は山積している。水町と中田という現役日本代表選手を加えて布陣はさらに豪華になったが、連係面はまだまだ。新しい守備のシステムにも取り組んでいるというが、完成度は高くない。アバロ監督は「まだ2か月しか練習していない。時間はかかる」と話したが、リーグ戦はすでに開幕しているのだ。

 もちろん「リーグ初制覇」の目標はブレていない。部井久は「時間は必要かもしれないけれど、強くなっていくという手ごたえはある」と話した。「今日の内容では次は勝てない」と厳しく言った玉川も「それでも、日本選手権(12月)やプレーオフ(来年6月)には間に合うと思う」と前向きに言った。

 この日、連覇を狙う刈谷はゴールデンウルヴス福岡を38-18と圧倒的な力でねじ伏せた。豊田合成もリーグ新加入の堺リエゾンに37-27と快勝した。ともに危なげない「好発進」。ライバルたちを乗り越えるのは、決して簡単ではない。

 次節からは安芸高田わくながHC、レッドトルネード佐賀とのアウェー2連戦。30日にはホームで豊田合成との大一番も控える。この日、スタンドからは2000人を超えるファンが大きな声援でチームを後押しした。今年こそ、その期待に応えることができるのか。開幕戦を何とか白星で飾ったが、悲願のリーグ制覇へと続く道は険しい。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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