極度の不振「曲がるのが怖くて振れない」 120位へ急降下も…見え始めた光明 21歳・馬場咲希、来季の主戦場は
国内女子ゴルフの今季メジャー2戦・ソニー日本女子プロゴルフ選手権は13日まで石川・片山津GC白山Cで開催され、山下美夢有(花王)の優勝で幕を閉じた。山下を含めて米ツアーを主戦場とする11人も参戦。その中には、21歳・馬場咲希(サントリー)の姿もあった。今季は5月から深刻な不振に陥っていたが、今大会では持ち前の飛距離も復活。通算1オーバーの31位で終えた。見え始めた光明。本人に率直な思いを聞いた。(取材・文=柳田通斉)

ソニー日本女子プロゴルフ選手権
国内女子ゴルフの今季メジャー2戦・ソニー日本女子プロゴルフ選手権は13日まで石川・片山津GC白山Cで開催され、山下美夢有(花王)の優勝で幕を閉じた。山下を含めて米ツアーを主戦場とする11人も参戦。その中には、21歳・馬場咲希(サントリー)の姿もあった。今季は5月から深刻な不振に陥っていたが、今大会では持ち前の飛距離も復活。通算1オーバーの31位で終えた。見え始めた光明。本人に率直な思いを聞いた。(取材・文=柳田通斉)
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最終日のアテストを終え、馬場の声は明るかった。
「今日は2番で2打目が木の上に乗っかったんです。でも、自分のボールだと確認できないから、ロストボールになって打ち直してダボになりました」
この不運にめげず、以降は4バーディー、2ボギー。スコアを保って4日間のラウンドを終えた。
「あそこから切り替えてできたんで、そこは成長かなと思います(笑)」
初日から、馬場は楽しそうにプレーしていた。理由の一つはショットの復調だ。
「2週間ぐらい前から感覚が戻って振り切れるようになってきました。自分で練習していく中でつかんだ感じです」
言葉通り、高弾道で少しフェードするショットを披露し続けた。第3日の14番パー5では、ボールを300ヤード近くまで運んでいた。アゲインストの風が吹いていた10番パー4、12番パー4で計測された同日のドライビングディスタンスは、平均254.0ヤードでランキング1位だった。その姿は高校2年時の2022年、37年ぶりに日本人として全米女子アマチュア選手権を制した時の雰囲気を感じさせた。
馬場は翌年23年11月、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテストに一発合格した。だが、日本を主戦場とせず、24年は米ツアー下部のEPSONツアーを転戦し、25年からは世界最高峰の米ツアーで戦っている。
25年は23試合出場で4度のトップ10入り。年間ランキング65位でシード権も獲得したが、今季は成績が急降下。5月のクローガー・クイーンシティ選手権からは、8試合で予選通過は1試合のみだ。国内では、5月のブリヂストンレディスは114位、7月の資生堂・JALレディスオープンはアマ時代を通してワーストの117位で予選落ち。ドライバーショットは左右に曲がり、ショートゲームの巧みさも影を潜めていた。

夏場は1か月間、試合に出ずに調整を続けた。
「曲がるのが怖くて、振れなくなっていました。予選落ちばかりで本当につらい状態でした。ただ、また8月にアメリカで3試合出て、自分のやりたいことを試せてはいました」
そして、馬場は「振り切る感覚」を取り戻してきた。今大会ではテーマに掲げていた「小学生の時のように試合を楽しむ」ことを実行できていた。
「予選ラウンドで同組の木戸(愛)さんは、私が小学4年生で初めてゴルフ観戦をした時にサインをくださった人です。とても優しかったことを覚えていますし、一緒に回れると知ってすごくうれしかったんです。そのことを伝えたら、木戸さんも『えっ、うれしい!』と言ってくださいました」
決勝ラウンドでも、先輩プロたちと談笑する場面があった。その中、深いラフと狭いフェアウェーの難設定にも対応でき、再び戦えるようになった手応えは十分にある。
「自信になりました。予選を通過して、こうやって大勢のギャラリーの前でいいショットは打てたこともうれしかったです」
全米女子アマチュア選手権を制した後の凱旋試合では、ギャラリーとメディアから一挙手一投足が注目された。その数の多さに本人は戸惑いを隠せなかったが、本来は「人に見られると力が出るタイプ」だ。
「やっぱり、自分のプレーを見てもらいたいです。また、あの時ぐらい見てもらえるようなゴルファーになりたいです」
今後と来季のことを問うと、「フラット」な状態であることを明かした。
「この後はアメリカで2試合出て、11月にまた行って1試合に出る予定です。来季のことは、その結果次第で考えていこうと思います」
米ツアーでの年間ランキングは現在120位。80位以内で来季の多くの試合に出場できるが、81位~100位、100位~125位、126位~150位とカテゴリーが下がるにしたがって出場試合は限定的になる。再びツアー最終予選会(QS)に出て、25位以内に与えられる一定の試合出場権を目指す。あるいは国内ツアーの予選会(QT)に出て、日本を主戦場にする選択肢もある。
思えばまだ21歳。同学年には菅楓華、荒木優奈、入谷響といった国内ツアー優勝経験者もいるが、プロテスト未合格の選手たちも多くいる。だからこそ、長期的な視点で「自分が強くなるためには何がベストなのか」を考えてほしい。彼女の能力に注目してきた記者として、それを願っている。
(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)
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