「心に穴が開いたというか…」西武・森脇亮介が漏らした言葉 4年過ごした古巣が廃部…プロへの道を切り開く思考

企業が野球チームを抱える意味「高校で言えば、同じクラスのヤツが…」
「年数が経つごとに、やっぱり野球だけじゃなくて、会社のことにも多少なりとも目を向けるようになって……。僕らがいる意味ってなんだろうと、考え方がシフトしていくんです」。企業が雇用まで抱える社会人野球は世界でも珍しく、日本と台湾くらいにしかないシステム。野球部は会社に対して、何を与えられると考えていたのだろうか。
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「やっぱり、勝つこと、都市対抗に出ることですかね。それが何なんだって言われるかもしれませんけど、高校野球で言ったら『同じクラスのヤツが、あの東京ドームのマウンドに立っている』みたいな感覚を作るというか。僕がいた当時は野球部員が30人くらいいたので、会社にはそういう部署が30か所あるわけです。それぞれで、同僚が応援するっていう一つの方向を向くことで、業務でも同じ方向を向くきっかけになってくれればいいなと思っていました」
セガサミーで森脇は、日大卒業からプロ入りまでの4年間を過ごした。指名解禁になる2年目の秋に声がかからず、登板機会を失った3年目を終える時には、引退も覚悟した。そこで速球を磨き直し、今も武器とするフォークボールを身につけたことでプロ入りを果たした。自分の野球ともう一度向き合える社会人野球という場がなければ、森脇の姿は今プロ野球になかったはずだ。今年、3年に及ぶ「右上腕動脈閉塞症」との戦いから復活したが、それ以前にも雌伏の時があった。
森脇は4年目の都市対抗で、セガサミーを初の4強進出に導いた。4試合中3試合に先発する大車輪の活躍が、西武のドラフト6位指名へ最後の後押しとなった。今夏の都市対抗、最後の参加になるセガサミーは東京都予選で敗退。しかし7人が補強選手として他チームに加わり、日本一を目指す。秋には京セラドームで日本選手権も行われる。休廃部の場合の特例として、所属1年目の選手でもドラフト指名の対象となる。かつての森脇のように、ここで人生が変わる選手が出るはずだ。夢をかなえるために必要なこととは――。
「僕も実際そうだったんですけど、1年目や2年目はいかに自分が活躍できるかを考えていたのが、4年目はもう、チームを勝たせたいという思いの方が強くなっていたんです。そうなると周りも見えますし、ここにいる意味みたいなものを考える余裕もできた。独りよがりではなく、チームを勝たせるようなプレーをすれば道は開けると思うんです」
ドラフト会議で「第○巡選択希望選手……セガサミー」とアナウンスされるのは、今年10月22日が最後になる。森脇は一人でも多くの選手に、自分と同じ道が開けるのを願っている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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