[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ラグビー日本代表、56失点惨敗の検証 善戦→1週間で激変のなぜ…2m級大型化で“足りぬ存在”が浮き彫り

代表強化で検討するべき宿題と思わせたタウンズヴィルでの80分

 大型化と書いたが、第2期エディー体制3季目を迎え、一歩一歩世界と戦える時間が伸びてきている一方で、フィジカルやパワーで世界トップの国々を圧倒出来ないのは、今回の大敗を見ても明らかだ。だからこそ、エディーは「超速」に拘り、今季は選手の多くが憑りつかれたように「ゴールドエフォート(最上級の労力)」というキーワードを言い続けている。だからこそ、強豪国とも異なる日本特有のスピードと運動量を生かしたスタイルで自分たちより上位の相手を苦しめるためには、このスピードを殺さず、生かし続けるための“繋ぎ役”のようなエキスパートを加える価値はあるのではないだろうか。

【注目】「この体重でも跳べるんだ」 月経異常や骨密度低下を経験、引退後に気づいた数字に縛られない体作り(W-ANS ACADEMYへ)

 来年10月開幕のW杯へ、エディーはこの8月までで、メンバーの8割を固めたいと語ってきた。実際、その数字に近い顔ぶれはほぼ固まりつつあるようにも感じられる。他国以上の精緻な戦術、約束事で優位に立とうとする日本にとっては、戦術理解やチームの高度な組織化に時間をかけることは避けられない。ここから、新たな戦力を加えてどこまで順応、組織としての完成度を高めることが出来るのかという時間の問題もある。それでも、現状の、自分たちのスピードでトライまで攻撃を継続出来ない遂行力を高め、接点での重圧への抵抗力を伸ばすためには、リンクプレーヤーというエッセンスが必要だと、この試合を振り返っても、思えてならない。

 敗戦後、この大敗の中でパスワークでなんとか日本の攻撃を加速させようと奮闘したSH齋藤直人(東京SG)は、こうゲームを振り返っている。

「1試合目は誰が見てもサポートが遅くジャッカルされたシーンが多かったが、2戦目はキャリアの周りに人がいる状態でジャッカルされたシーンが多かった。そこを突き詰めていかないといけない。アタックしたいチームがブレークダウンで球を出せないと、なかなか勢いに乗ることが出来ない。今日は本当にいいレッスンになった」

 まさにティッツァーノのプレーを象徴するようなコメントだが、もちろん組織的に相手のボール兼メンハンターにどう対抗していくかも重要だ。そして、同時に日本のティッツァーノをどう起用し、育てていくかも代表強化には検討するべき宿題だと思わせたタウンズヴィルでの80分。ジャパンがその独自のアンサンブルを奏でるには、そんな仕事人がいてもいいのではないだろうか。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

1 2 3 4 5

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
ABEMA
docomo
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集