世界8位に3点差…ラグビー日本は強くなったのか 「俺のせいで…」残り15秒、リーチの悔恨と芽吹く希望
新顔が増えるも「代表のレベルは落ちていない」
この数字から読み取れるのは、昨季が経験値で似た者同士の試合で、試合当時のランキングで5位下の日本が4点差で敗れたのに対して、今季は1人当たりテストマッチ10試合経験が高い相手に3点差の試合を演じたことだ。この試合をスコアで評価するのなら「4点差から3点差に成長」ではなく「1人平均10キャップ経験のある相手に3点差まで接近」とするべきだろう。
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リーチにも、このキャップ数=経験値を踏まえた上での4点差→3点差という前進を聞くと、こんな指摘をしている。
「まだまだ僕らは若いチーム。成長したところを見ると、若手メンバーがどんどんトップレベルのテストマッチを経験して、それでも3点差にしている。新しい選手が入ってきたけれど、代表のレベルは落ちていないし、すぐフィット出来るのは練習が正しいということです」
エディーは従来「W杯で優勝を争うレベルのチームは600~800キャップが必要」と経験値の重要さを唱えてきた。この主張からすると、W杯開幕まで14か月の時点で、先発15人の総キャップ276はすこし心許ない数字ではあるが、エディーは「大学生3人を起用してここまで戦えたのは評価したい」ともコメントしている。W杯開幕時点でキャップ数を理想の領域まで高めるのは現実的ではないが、積極的に若手にチャンスを与える中で、どこまで経験値を伸ばしていくかという勝負になる。
3点差惜敗の翌日に敵地へ移動した日本代表だが、週末に待つ対オーストラリア第2ラウンドこそ注目の試合になる。ワーナー主将は試合直後のフラッシュインタビューで「この試合より涼しいオーストラリアで勝てるよう頑張りたい」と語ったが、日本以上にワラビーズにとってホームタウンアドバンテージがあるのは明らかだ。加えてホストチームのメンバリングも興味深い。
花園での第1ラウンドは、2日前のメンバー発表から気になる編成だと感じていた。先に触れたように先発15人のキャップ数(トータル426)も悪くない数字だが、控えの顔ぶれが充実していた。ワラビーズでは主力級のHOビリー・ポラード(21キャップ)、PRタニエラ・トゥポウ(70)、SHテイト・マクダーモット(53)らは、どのトップネイションズの強豪とも渡り合える実力を持ったメンバーだ。そんな主力クラスを敢えてベンチに置いた理由を、この試合が初采配だったレス・キスHCはこう説明してくれた。
「主だった理由はコンディションのところです。日本は脅威になる相手なので、それを考えて経験のある選手をベンチからスタートさせようと考えたのです。そこが奏功したこともあるし、いろいろなコンビネーションを試したかったこともあって、こういう組み合わせにしたんです」
先発勢が消耗する中で、際どいスコア差でリードを守り切るには彼らのような実績も経験値も持つベンチメンバーを投入できたのは、最上のシナリオだった。指揮官は日本代表への脅威に触れたが、当然のことながら8月の大阪の猛暑を頭に入れた構成だったのは間違いない。この“日本対策”を、ホストゲームでどう変えて来るのか。もし第1戦のベンチ組がスターターになれば、日本はさらに破壊力のある布陣とキックオフから対峙することになる。
いずれにせよ、酷暑の日本で苦しみながら3点差の勝利を遂げた相手と、暑さと湿気から解放された敵地での真剣勝負になる。胸を借りるアウエー側にとっては、気候も含めて8日のゲーム以上に戦闘力を高めた「8位」と、第1ラウンドのように渡り合い、勝利を奪うことが出来れば、14か月後への最良のシナリオになる。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)
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