進学校で県記録、0秒05差で全国は幻「陸上やめようかな」 医学部1年生スプリンターが追う「二兎の夢」――自治医科大・上嶋美夕
わずか0秒05差で、高校最後のインターハイを逃した。その悔しさを抱えたまま、上嶋美夕(自治医科大1年)は医学部へ進み、今も100メートルを走り続ける。医学部ルーキーは11秒台と医師という「二兎の夢」を追っている。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

「THE ANSWER 陸上PLUS|STORY」 日本インカレ・日産スタジアム(9/5-7)
わずか0秒05差で、高校最後のインターハイを逃した。その悔しさを抱えたまま、上嶋美夕(自治医科大1年)は医学部へ進み、今も100メートルを走り続ける。医学部ルーキーは11秒台と医師という「二兎の夢」を追っている。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
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入学から5か月。初めて挑んだ日本インカレは12秒で幕を閉じた。
大会初日の女子100メートル予選。6レーンの上嶋はスタートから出遅れ、7着でゴールラインを走り抜けた。タイムは12秒91。「納得できる走りじゃなかった」。大学で初めての大舞台。独特な雰囲気に圧倒された部分もある。
それでも、目を輝かせてトラックを見つめる姿は、確かな収穫と刺激を感じさせた。
「他大学の応援の声が聞こえて……『インカレってこんな感じなんだ』と思えて、すごく楽しかったです」
陸上を始めたのは中1の頃。学業と部活の両立を続け、県内有数の進学校・甲府南高の理数科に進学した。高3春に山梨県総体で11秒86の県記録を樹立。順調な成長曲線を描いていた。
しかし直後に左足の疲労骨折を負い、南関東大会では意地の決勝進出を果たしたものの7位に終わった。各種目6位までの入賞者がインターハイに進める中、わずか0秒05差で憧れの舞台を逃した。
「陸上をやってきた中で、初めて『練習がなんか楽しくない、もう陸上やめようかな』と感じた時期。結構しんどかったです」
それでもトラックを離れなかったのは、過去最高の自分を取り戻したかったから。「もう一度11秒台を出したい」。一度しか味わっていない景色を再び見るために――。今も挑戦を続けている。
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