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“ミニW杯”で世界10傑から金星 敵将が「弱点」と睨むも…覆したラグビー日本代表の「9番・10番」の躍動

ラグビーの世界トップ12か国が参加する初の国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」が7月第1週に世界各地で開幕。日本代表は4日、東京・秩父宮でイタリア代表に27-10と8年、3試合ぶりの勝利で、ワールドカップ(W杯)1年前のシーズンの好スタートを切った。今年3月にはイングランド代表を破り、世界ランキング10位の相手からの勝利は、同12位の日本にとっては大きな一歩となった。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が復帰した2024年からの2シーズンは、テストマッチ通算10勝12敗。強化を不安視する声もある中で、ようやく上昇曲線に乗り始めたチームの“金星”発進の80分を検証する。(取材・文=吉田 宏)

イタリア戦で躍動した伊藤龍之介(左)と齋藤直人【写真: 写真:西村尚己/アフロスポーツ】
イタリア戦で躍動した伊藤龍之介(左)と齋藤直人【写真: 写真:西村尚己/アフロスポーツ】

ネーションズチャンピオンシップ 27-10で8年ぶり勝利したイタリア戦の検証

 ラグビーの世界トップ12か国が参加する初の国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」が7月第1週に世界各地で開幕。日本代表は4日、東京・秩父宮でイタリア代表に27-10と8年、3試合ぶりの勝利で、ワールドカップ(W杯)1年前のシーズンの好スタートを切った。今年3月にはイングランド代表を破り、世界ランキング10位の相手からの勝利は、同12位の日本にとっては大きな一歩となった。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が復帰した2024年からの2シーズンは、テストマッチ通算10勝12敗。強化を不安視する声もある中で、ようやく上昇曲線に乗り始めたチームの“金星”発進の80分を検証する。(取材・文=吉田 宏)

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 画期的な“ミニW杯”でエディージャパンが最高の第一歩を踏みしめた。

 10勝12敗だった過去2シーズンのテストマッチでの白星は、ほぼ「ティア2」と呼ばれるカナダなどからと苦しんできたチームが、いまや世界トップ8に食い込む勢いの相手を後半ノートライに封じ込んだシーズン開幕戦。ノーサイドの笛に、国内では昨年8月のカナダ戦以来の勝利を見ようと集まった2万1329人のファンで埋まった秩父宮のスタンドも沸き返った。

「本当に嬉しい結果です。今週は素晴らしい準備が出来たこと、そしてスターティングメンバーも素晴らしいパフォーマンスを出してくれた。初キャップの4人もしっかりインパクトを与えてくれたし、控えメンバーもいい仕事をしていた」

 勝者会見。いつもはエディーの座る席に、この日はニール・ハットリーHC代行が腰を下ろし選手を称えた。4月に行われたU23日本代表のオーストラリア遠征に於ける試合中の暴言で、日本協会からこの試合までの出場(采配)停止処分を受けていた指揮官だが、キックオフ前夜には母親を亡くす訃報を受け、急遽チームを離れていた。亡き母の元に帰ったエディーにとっても最高の弔いゲームとなったが、チームにとっては1勝以上の価値のある勝利だった。

 開始5分に先制は許したが、6分後には昨季までには見られなかった“変化”で直ぐに追い付いた。敵陣22mライン内のラックから、FWが6回連続で密集サイドを突破して、最後はLOワーナー・ディアンズ主将が相手防御をこじ開けながらインゴールへ飛び込んだ。昨季は所属する東芝ブレイブルーパス東京を離れて母国ニュージーランドのハリケーンズに参加。中心選手としてスーパーラグビーを制覇して日本代表に戻って来た。チーム合流10日あまりだったが、そんな“遅れ”を感じさせることもなく、明らかにバージョンを上げたフィジカリティーでチームを引っ張り、世界10位のFWを圧倒した。

「自分は23年のイタリア戦は出ていなかったが、2年前の試合はセットピースでやられて、キックのバトルでもやられて、相手がプレッシャーを掛け続けた試合だった。でも、今日は自分たちでゲームをコントロール出来たし、9番、10番のキックのタイミングも良かった。スクラム、ラインアウトもやられてなかった」

 弱冠24歳のスキッパーは涼し気に語ったが、スーパーラグビーでの経験については「ハリケーンズでの練習では、自分のフィジカリティーとかタックルをいろいろな人から意見を聞いて、何がプラスなのか、どうやって良くしていくかを学ぶチャンスがあった」とその収穫を認める。フィジカル、テクニカル面での進化は勿論だが、南半球の国際リーグで対戦相手に並んだニュージーランド、オーストラリア、そしてフィジーら南太平洋諸国の代表選手と互角以上に渡り合えたという精神面での自信も、この若い代表主将をさらにタフなラグビー選手へ成長させた。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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