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福島千里、寺田明日香ら輩出…名門クラブの変貌 所属3人、働きながら走る「社会人アスリートの星」へ――北海道ハイテクAC・島田雪菜

名門は、時代とともに形を変えた。その中で何を感じてきたのか――。陸上女子100メートルの島田雪菜(北海道ハイテクAC)が14日に行われた予備予選3組で12秒00(追い風2.6メートル)の5着だった。所属する北海道ハイテクACは、過去には女子100メートル日本記録保持者の福島千里氏、女子100メートル障害の元日本記録保持者・寺田明日香氏らを輩出。世界で戦うトップ選手の育成を目指した時代から、クラブは新しい形にシフトした。在籍10年目の島田は、変化の中で新たな価値を見出し、「北海道ハイテクAC」の看板を背負って走り続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・上田 悠太)

「北海道ハイテクAC」の看板を背負い、働きながら競技を続ける島田雪菜【写真:編集部】
「北海道ハイテクAC」の看板を背負い、働きながら競技を続ける島田雪菜【写真:編集部】

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 名門は、時代とともに形を変えた。その中で何を感じてきたのか――。陸上女子100メートルの島田雪菜(北海道ハイテクAC)が14日に行われた予備予選3組で12秒00(追い風2.6メートル)の5着だった。所属する北海道ハイテクACは、過去には女子100メートル日本記録保持者の福島千里氏、女子100メートル障害の元日本記録保持者・寺田明日香氏らを輩出。世界で戦うトップ選手の育成を目指した時代から、クラブは新しい形にシフトした。在籍10年目の島田は、変化の中で新たな価値を見出し、「北海道ハイテクAC」の看板を背負って走り続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・上田 悠太)

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 地元の風を感じながら走った。福井県出身の島田にとって、今大会は故郷で走れる舞台。予備予選3組。前半こそ思い通りだったが、後半で伸びを欠いた。「最初の50メートルは理想の形で入れたかなと思うのですけど、後半に欲が出てしまって……」と悔やんだ。12秒00で15日の予選には進めなかったが、地元の声援が心地よかった。

 所属する北海道ハイテクACは、日本女子の陸上界を牽引してきた名門クラブとして、一時代を築いた。中村宏之氏の指導のもと、福島氏は100メートル、200メートルで日本記録を樹立(200メートルは現日本歴代2位)。女子100メートル障害で18歳から日本選手権3連覇し、日本勢で初めて12秒台の記録を出した寺田氏も同クラブの出身だ。

 当時、福島氏、寺田氏らはクラブの運営母体である滋慶学園グループの北海道ハイテクノロジー専門学校の職員として競技に取り組み、実業団に近い環境でトレーニングを積んだ。5レーンの130メートル直線走路など、日本屈指の屋内練習施設を完備。まさに雪国のハンディがない充実した環境から、世界と戦うトップアスリートを育成してきた。

 福井・敦賀高を卒業した2017年春から島田は、北海道ハイテクACの一員となった。高校時代はU18日本選手権(当時日本ユース陸上)の200メートル、400メートル優勝などの実績を残した。世界で戦うことを目指し、名門に飛び込んだ。北海道ハイテクノロジー専門学校で3年間、学びながら競技に打ち込んだ。

 ただ、この頃からクラブを取り巻く環境も少しずつ変わり始めた。少子化などの影響もあり、選手は北海道ハイテクノロジー専門学校の職員としてではなく、別の企業などで働きながら競技を続ける形へと移っていった。島田も20年4月に北央電設へ入社した。

 そして黄金期を築いた名伯楽・中村宏之氏は20年秋に勇退。思いを引き継いだ07年世界選手権女子400メートルリレー代表の北風沙織氏は21年3月に退任した。クラブは世界で戦う選手の育成を目指した従来の形から、ジュニア年代の指導を軸とし「アカデミー」に力を注ぐ方針に転換した。

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