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なぜ、阿部一二三は強いのか 筋トレより睡眠した方が強くなる「肉体的才能」

柔道全日本男子体力強化部門長の岡田隆氏【写真:編集部】
柔道全日本男子体力強化部門長の岡田隆氏【写真:編集部】

ウェートトレより睡眠? 肉体的才能がもたらすメリット

 阿部選手からウェートトレーニングや食事に関して相談されることもありますが、基本、ウェートトレーニングはケガの予防に必要な補強トレーニングなどを中心としています。また、栄養も細かなサプリメントは摂らず、すべて食事から必要な栄養素を摂ればよいと指導。体に余計な負担をかけず、常に100%いい状態で、100%のエフォートを稽古に投入させるためです。

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 稽古は心身ともによい状態であるほど、精密な動作ができ、そして自身を強烈に追い込むことができます。筋肉量が足りない選手は稽古以外の時間を使い、様々な補強トレーニングで筋力の強化を図らなければなりません。しかもウェートトレーニングをすれば必ず筋肉は強く疲労するので、翌日の稽古は100%の状態で臨めない。つまり、稽古の質が少し下がってしまいます。

 ですから、阿部選手のようにすでに十分な筋肉量があるならば、ウェートトレーニングをするよりも精神的リラックスや睡眠などに当てたほうが良いし、大量のタンパク質の消化吸収にエネルギーをとられるより、普通の食事をしっかりとるほうがいい。肉体的才能を持つ選手が、毎日、100点満点の練習を続ければ、他の選手との力の差は、間違いなく広がっていくからです。

 では、世界で活躍する選手を目指す子どもたちが、阿部選手から学べることとは何か? 「筋トレをして、阿部選手のような筋肉をつけましょう」ではありません。「阿部選手のように質のいい稽古を、たくさんしておきしましょう」です。

 阿部選手は多彩な投げ技を持ち、強烈な一本勝ちを決める柔道家です。難しい体勢からも相手を投げる感覚のよさ、体の使い方のうまさには、いつも驚かされます。しかし、彼の「投げる」力は、元々の才能だけで得られるものではありません。小さい頃から稽古をやりこんだ結果、身についたものです。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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