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偏差値73の福岡御三家から全国へ 医学部志望…山中教授に憧れ、でっかい夢はノーベル賞「突き詰めるって面白い」――修猷館・本村優太郎

レース後のミックスゾーンではフェルマーについて熱弁した【写真:荒川祐史】
レース後のミックスゾーンではフェルマーについて熱弁した【写真:荒川祐史】

山中教授に感銘、医学部志望に 等身大の目標は「患者さんに寄り添う医者」

 翌日から、肩書きは「部活生」から「受験生」になる。

 医学部志望。もともとは「そこそこ良い大学」に行ければいいと思っていた。1年ほど前、iPS細胞に関する研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した京大・山中伸弥教授に関する書籍を読んで「こんな発見ができたら、きっと社会の役に立つんだろうな」と感銘を受け、医学の道を志した。

 憧れの人は山中教授と、17世紀のフランスの数学者ピエール・ド・フェルマーの名前を挙げる。

「『フェルマーの最終定理』という数学の物凄い難問を残したこともあるけど、物理学を勉強していたら、いろんな天才が出てくる。でも、フェルマーが使った解法って一番単純で早いんです。『こんなことよく思いつくな』みたいな解法をしていて。すごく、その頭の使い方に憧れています」

 この場所が、陸上インターハイのミックスゾーンであることが嘘に思えるくらいに熱く語った。

 滋賀に参考書も持ってきた。「数学は『理系数学の良問プラチカ』がそこそこ面白い参考書で、物理は『名門の森』がすごく良くて。あとは(学習塾の)東進に入っているので、東進の授業もあります」。移動中の新幹線車内や、ホテルの就寝前1時間は勉強に充てた。

 考えて、工夫し、楽しむ。陸上で根付いた習慣は受験勉強にも、将来にも繋がっていく。

「勉強って楽しいと思うんですよ。突き詰めていったら。やらなきゃいけないことをどうやって楽しみ、その方法を見つけられるか。それも将来、仕事で辛いことがあった時に同じように生きるんじゃないか」

 陸上を続けるかは受験の結果次第。最後に将来の夢を聞いてみると、2つの視点を使い分け、明かしてくれた。

「ちょっと大きな目標で言ったら、でっかい発見をしてノーベル賞を受賞したいというのはあります(笑)。でも等身大の目標で言ったら、患者さんに寄り添って治療ができる医師になりたいですね」

 100メートルを走り終えても、本村優太郎の「考える」は終わらない。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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