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偏差値73の福岡御三家から全国へ 医学部志望…山中教授に憧れ、でっかい夢はノーベル賞「突き詰めるって面白い」――修猷館・本村優太郎

勉強と陸上を刺激し合う“永久機関”にして成長した3年間【写真:荒川祐史】
勉強と陸上を刺激し合う“永久機関”にして成長した3年間【写真:荒川祐史】

独自の文武両道スタイル 勉強と陸上を刺激し合う“永久機関”に

 高校では苦しい時間を過ごした。

 最初の1年間は体作りを意識しながら、徐々に長い距離に挑戦する3年間のプランを描いた。ところが、中学時代に発症した腰椎分離症が長引き、思い通りにいかず。さらに今年5月の県大会から怪我が再発した。

 最後の夏、諦めるわけにはいかない。

「頭を使って短めの距離でやっていこう」

 6月の北九州大会で100メートル5位に入り、インターハイ切符を掴んだ。その代償で痛みが悪化し、本命の200メートルは棄権。大会後は2~3週間、満足に走れない状態が続く。それでも投げ出さなかった。

「応援してくれる人がいる。走れないことは辛いけど、補強とか走れなくてもできることはやっておこう」

 その努力がくれた、最後の夏の“幸せな10秒間”。高校ラストレースで聞いた歓声は、ご褒美だった。

 もうひとつ、本村が疎かにしなかったのが学業。「高校に入って勉強が好きになった」。理系で得意科目は数学、物理。成績は学年440人で8位につける。

 進学校の陸上部と言うと、練習量は少ないと言われやすいが、本村は「めっちゃ、やっています」と笑顔で否定する。練習は週6日、午後4時半から7時まで練習し、帰宅するのは7時半頃。体のケアや食事に2時間をかけ、9時半頃からペンを握る。

 本村流の勉強法はこうだ。「『何時から何時までやる』と決めてしまったら、義務感の勉強になってしまう。だから、手が止まるまでやろうみたいな感じで勉強しました」。気づけば、時計の針がてっぺんを越えていることもよくあった。

 全国レベルの部活に全力を注ぎながら、勉強も頑張る理由は何か。

「心に余裕が生まれることがあると思うんです。どちらかが上手くいかなかった時に一度、気分転換で得意なことをやってみると気分が晴れる。それが良いんじゃないかって」

 勉強が行き詰まれば走る。陸上で苦しめば机に向かう。2つを刺激し合う“永久機関”にして成長してきた。

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