「バセドウ病」から1年で全国6位入賞 息切れ、発熱、体重5kg減…涙で滲んだ高校最後の夏の景色――大分雄城台・長野梨心

長野を救った家族の支え「1人じゃ乗り越えられなかった」
救ってくれたのは家族や周りの存在だった。「(陸上を)辞めようと思った時も、家族が一番そばにいてくれた」と長野。「絶対に復帰できるから頑張れ」という穴井伸也監督の言葉も再び闘志が燃え上がるきっかけになった。
「どんどんみんなが速くなっていく中で、自分はウエイトやバイクを漕いでいた。置いてかれている感じが凄く辛かった。自分1人じゃ絶対に乗り越えられなかった」
失った5キロ以上の体重は、1日3食では戻らない。間食でおにぎりやパンを口に詰め込み、カロリーを摂取。想像以上に大きかった半年間のブランクを乗り越え、400メートルで5月の県大会2位、6月の北九州大会5位に。悲願のインターハイ切符を掴んだ。
「この3年間は辛いことの方が圧倒的に多かったんですけど、この経験をしたからこそ得られるものもある。家族が支えてくれたおかげで復帰ができて、この舞台に立つこともできたので。感謝の気持ちを忘れずに、過ごすことが大事だと思います」
チームとしては県記録を更新し、全国6位に。一方、個人としては大会初日の女子400メートルで58秒67の組6着で予選敗退。この借りは大学の舞台で返す。
「大学では個人でインカレ入賞を果たして、支えてくれた人たちに個人でも結果で恩返しできるような選手になりたい」
1年前、病院のベッドで「陸上を辞めよう」と考えた。今、涙が乾いた長野の目が「次」を向いている。それこそが、自らの努力の証しだ。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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