介護で寄り添った弟の彼女へ「一番に伝えたい」感謝 仕事を辞め、資格取得「誰よりも頑張っている」――元WBC世界ミニマム級王者・重岡優大さん【後編】
熊本県で最大震度7を観測した地震から、11日で2週間が経過した。同県出身のボクシング元WBC世界ミニマム級王者・重岡優大さんは、今年2月にオープンしたカフェ「Shinonome coffee」で、その激しい揺れに見舞われた。傷ついた故郷と向き合う中で、もう一つ気にかける日々が続いている。昨年5月に「急性右硬膜下血腫」で緊急の開頭手術を受けた弟の銀次朗さん。兄弟の「今」と優大さんの「一番に伝えたいこと」を聞いた。【前後編の後編】

元世界王者の重岡兄弟、熊本に戻った2人の今
熊本県で最大震度7を観測した地震から、11日で2週間が経過した。同県出身のボクシング元WBC世界ミニマム級王者・重岡優大さんは、今年2月にオープンしたカフェ「Shinonome coffee」で、その激しい揺れに見舞われた。傷ついた故郷と向き合う中で、もう一つ気にかける日々が続いている。昨年5月に「急性右硬膜下血腫」で緊急の開頭手術を受けた弟の銀次朗さん。兄弟の「今」と優大さんの「一番に伝えたいこと」を聞いた。【前後編の後編】
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26歳の銀次朗さんは元IBF世界ミニマム級王者。昨年5月のタイトルマッチ後に意識を失い救急搬送された。「急性右硬膜下血腫」と診断され、開頭手術を受けてボクサーは引退。同年8月に故郷の熊本県内の病院に転院し、リハビリを行っていた。今年3月に303日の入院生活を経て退院した。
優大さんは地震発生時、カフェで締め作業をしていた。被害は少なく、妻と娘にも怪我はなかったが、自宅はガラスが散乱、テレビが倒れ、コーヒーマシンが落下して故障した。その夜、余震に備え、避難所となった近くの小学校にいつでも避難できるよう、部屋を片付け荷物をまとめた。また、翌日以降の準備や動きを銀次朗さんと一緒に住む彼女と打ち合わせをしていた。
「俺が一番伝えたいのは銀の彼女についてです」
優大さんの言葉には強い感謝がにじんだ。
「銀の彼女は東京の子なんですけど、向こうの仕事を辞めてこっちに来た。銀は日常生活の全てにおいて介護が必要。お風呂とかも時間割で動いている。ヘルパーさんに来てもらって、何曜日にデイサービスに行って、空いてる時間に一緒にカフェに来れたら来てとか。銀の彼女は介護の資格を取って、お金がもらえるよう事業所に所属した上で、銀と生活をしている。これってかなりすごいことじゃないですか。本当、誰よりも頑張っているのは銀の彼女なんですよ」
優大さんによると、銀次朗さんと彼女は交際して6~7年目。「婚約しているとかだったらまだいいけど、俺は銀の彼女が限界を迎える可能性もあると思っているんです。介護に対して、もう無理ですって。そうしたら俺は『いや、今まで本当にありがとう』って言う。『今度から銀に会いたくなったらたまに来なよ』『会いに来てやって。いつでも歓迎するけん』というスタンスなんです」と思いを口にした。
彼女は若く、銀次朗さんよりも年下だ。「これからの人生の方が長いんです。強制はしてないし、やらせたくないですよ、俺だって。彼女自身も今は銀のためにこれがしたくてというのが本心だと思う。彼女が進んで資格取ったことも最近まで知らなかったんです。彼女自ら動いたことなので、称賛してあげたい。僕は銀の彼女がストレスをためないように、僕ができる仕事を奪ったりしている」と話した。
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