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震度7から一夜「今度は支える番」 車で2時間…高校サッカー会場、女性の応援ボードに透けた熊本と福島の縁

サッカーの全国高校総体(インターハイ)は29日、男子サッカーの準々決勝が福島県で行われ、大津(熊本)が桐蔭学園(神奈川2)に1-0で勝利し、4強進出を決めた。会場となったJヴィレッジには両校の関係者の他、多くのファンが集結。熊本県を最大震度7の地震が襲ってから一夜、手製ボードに「がんばれ!! 熊本」とメッセージを記した親子の姿も。母親は特別な思いでピッチに視線を送った。

インターハイ男子サッカー準々決勝、手製ボードに「がんばれ!! 熊本」とメッセージを記した親子【写真:橋本啓】
インターハイ男子サッカー準々決勝、手製ボードに「がんばれ!! 熊本」とメッセージを記した親子【写真:橋本啓】

持参した紙製のボードにメッセージ

 サッカーの全国高校総体(インターハイ)は29日、男子サッカーの準々決勝が福島県で行われ、大津(熊本)が桐蔭学園(神奈川2)に1-0で勝利し、4強進出を決めた。会場となったJヴィレッジには両校の関係者の他、多くのファンが集結。熊本県を最大震度7の地震が襲ってから一夜、手製ボードに「がんばれ!! 熊本」とメッセージを記した親子の姿も。母親は特別な思いでピッチに視線を送った。

 厚い雲が広がり時折、強い風が吹き抜けたJヴィレッジのピッチ。会場脇ではネット越しに母親と2人の少年が熱戦を見つめていた。「がんばれ!! 熊本」「大津高校 ともに前へ 頑張れ!熊本県 福島県より応援しています」。28日の地震で甚大な被害に遭った熊本へ、持参した紙製のボードにメッセージを記していた。

「熊本の方が来れないだろうなと思って」。こう語るのは永田理香さん。福島出身で郡山市在住。車で約2時間かけ、長男、次男、長女の3きょうだいと姪っ子を連れてJヴィレッジへやって来た。

 自身は2011年3月の東日本大震災を経験。学生だった当時、田村市で過ごしていた日常は、福島第一原子力発電所の事故で大きく変わった。地元を離れ、避難先の東京へ。当時の話を伺うと、つらさが込み上げた永田さん。頬には涙が伝った。

 ただ、そこで思わぬ縁に恵まれた。「熊本の友達ができて、そこからお互い地震があっても『大丈夫だ』って連絡を取ってきました」。知人を通じて東京で出会った熊本出身の友人とは、今でも連絡を取り合う仲だ。

「帰る時にバスを見送ってくれたり、お土産をくれたり、熊本のラーメンをくれたり」。その温かさに何度も救われた。だからこそ、巨大地震が襲ったニュースを見て他人事には思えなかった。どんな形でも「応援したいな」。手製ボードはこの日の朝に作成。永田さん自身がメッセージを記し「子供たちが文字を黒く塗ったり、ボールを書いてくれた」と笑う。

 熊本を後押ししたい。その思い一心でやって来た高校サッカーの会場。地元が甚大な被害に遭いながらも、大津高イレブンは必死に勝利だけを目指していた。その闘志に、サッカー好きの長男、次男と共に目を奪われた。「必死にボールを追いかける姿が大津高校らしくてすごくかっこよかった」。次も応援に行くかと問うと「是非行きたいと思います」とはにかんだ。

 東日本大震災から15年。永田さんは「今度は支える番かなと思っています」と、熊本への思いを語る。震災で繋がった縁から始まった交流はやがて、互いを支え合うほどの間柄に。Jヴィレッジのピッチ脇で目撃した手製ボードには、そんな背景が詰まっていた。

(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)



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