「陸上はメジャースポーツに比べると…」中島佑気ジョセフがW杯で感じた現実 普及へ描く新構想
陸上男子400メートル日本記録保持者の中島佑気ジョセフ(富士通)が25日、川崎市内のUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで、陸上教室に参加した。中学生約60人に走り方を指導。競技普及への秘めた思いを語った。

Fujitsu Sprint challenge 2026
陸上男子400メートル日本記録保持者の中島佑気ジョセフ(富士通)が25日、川崎市内のUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで、陸上教室に参加した。中学生約60人に走り方を指導。競技普及への秘めた思いを語った。
中島はサッカーW杯の盛り上がりに感じるものがあった。サッカー熱が列島を包む空気感を目の当たりにし、陸上競技の現在地を考えた。
「陸上はメジャースポーツに比べると、まだエンタメに特化するのは難しい部分があるかもしれないと思っています。だからこそ、今回のように体験していただき、徐々にファンの方を増やしていく。メジャースポーツとは違うような方向性で、陸上のポジションというか、今後の(ファンの)拡大の仕方っていうのは模索できるのかなと思ってます」
すぐにサッカーW杯、野球のWBCのような、社会現象ともいえる熱を生み出すのは簡単ではない。それだけに、育成年代との交流など地道な普及活動の意義を強く感じている。
中島は東京開催だった25年世界選手権の予選で従来の日本記録を0秒33更新する44秒44をマークした。準決勝も突破し、男子400メートルでは91年大会の高野進氏以来、日本勢34年ぶり2人目の決勝進出を果たした。決勝ではメダルには届かなかったが、日本勢最高となる6位入賞。世界のトップレベルで戦いながら、競技普及への構想も温めている。
「将来的には、子供達に限らず、全世代で走る体験ができる。そんな大会を(自分で)開けたらいいなと思っています。所属している富士通とも、連携しながら、もっともっと大きいプロジェクトを企画できたらなと。構想段階ですけど、そういったのが頭にあります」
まだ具体的な話は進んでいない。ただトラックの内外から、陸上界の未来を考える。男子100メートルの桐生祥秀(日本生命)は陸上教室に力を入れ、サニブラウン・ハキーム(東レ)は育成年代の大会を立ち上げている。そんな先輩たちの取り組みにも刺激を受けながら、中島も競技普及の裾野を広げるビジョンを膨らませている。
直近の目標は、代表に決まっている9月の名古屋アジア大会での金メダルだ。1600メートルリレーとの2冠を目指す。6月の日本選手権後のオランダ遠征中に右膝コンディション不良に見舞われたが、順調に回復のステップを踏んできた。
8月9日の富士北麓ワールドトライアル(山梨)では200メートルと400メートルに、同14日開幕のナイトゲームズ・イン福井では200メートルにエントリーしている。「アジア大会で400メートルのピークを持っていく準備段階として、また課題のスピードに取り組むために200メートルを中心にやっていく。(スピードがあれば)エネルギーをセーブして、前半の200メートルを通過できる。今後、世界陸上の決勝のようなレースで、(前半で)離されないことを目的にして」と意図を説明。得意の後半をさらに生かすため、明確なテーマを持って強化に励む。
今回の陸上教室は、100m記録会「Fujitsu Sprint challenge 2026」のイベントの一環で実施された。富士通は陸上部の拠点を5月に千葉市から川崎市に移した。その新たな“地元”で、ファンとの交流を深めた。男子棒高跳びのアジア大会代表の江島雅紀(富士通)は「普及活動にも力を入れていきたいと思っていた。限られた時間でしたが、貴重な経験ができた。教える中で僕も学ぶことがあった」と話した。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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