韓国にいたNPBドラフト候補「やっと意識できる」 1軍ホールド王で得た自信…「無理だろう」が「今なら」に――杉本幸基

面食らった韓国野球「絶対負ける世界です」2軍で作り出したギャップ
ただ、初めて経験する異国の野球は甘くなかった。現在の韓国野球は、米本国よりも米国志向だと多くの選手や関係者が口にするところだ。杉本も面食らった部分がある。
「やってる野球が全然違うと思います。日本では技術というか、相手を見ながら裏をかいたりを求められますが、韓国はもう、パワー対パワーの勝負になる感じなので。自分の力がなかったら、絶対負ける世界です」
開幕から様々な場面でリリーフとして投げたが、5月28日に1軍登録を抹消された。ただこの期間で、韓国野球への適応を一気に進める。6月11日に1軍復帰すると、7月には13試合に投げ1勝8ホールド、防御率1.38の好成績で月間MVPの候補入りしたほどだ。抹消時点での防御率は6.48だった。施したのは日本流の観察と改善だ。
投手板の一塁側を踏んで投げていたのを、三塁側に変えた。「一塁側からはストライクを投げやすい感覚はあるんですけど、打者から見た時に角度がなくなっていて。自分は上から角度のあるボールを投げるタイプではないので、打者に恐怖心を植え付けたほうがいいかなと」。ボールが打者に向かっていく角度に変わり、バットが遅れて出てくると感じるようになった。約60センチの修正で、ファウルや空振りを取れるようになった。使用頻度の高くなかったツーシームやスプリットを試すこともできた。
「独立リーグだと、自分の調子さえよければまず打たれないんですけど、韓国では自分のコンディションがどれだけ良くても、打たれることがありました。でも自分よりスピードがなくても、ちゃんと抑えてるKBOのピッチャーはたくさんいます。何が違うのかと思った時に、やっぱり角度とかフォームのギャップが大切だと気づいたんです。ボールがどれだけ速くても、パンパン打たれていたので」
積んだ経験の濃さは、独立での3年間とは比べ物にならない。シーズン73試合は、決して経験できない登板数。「週に1回休み、その後6連戦という日程で、心も体もリフレッシュできる時間がなかったのはあります」。出番はすぐに回ってくる。その中で1軍の勝利を左右するマウンドに立ち続け、気の持ちようも変わった。
「最初はけっこう緊張していましたけど、最近は勝ちパターンで投げる時のメンタルの持っていき方がうまくなったと思っています」。どういうことか。
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