期限ギリギリに届いた韓国プロの誘い お金か夢か「めちゃくちゃ迷いました」2軍球団の26歳が選んだNPBへの“最短コース”
プロ野球の新戦力補強期限が7月末で終わった。このタイミングで魅力的なオファーを受け、迷いに迷ったあげくにチーム残留を決めたのが、2軍ファーム・リーグに参加するオイシックスの上村知輝投手だ。とはいえ、上村がNPBに進むには、秋のドラフト指名が必須。その前に届いたのはお隣、韓国プロ野球からのオファーだった。この時期、韓国でも最後の補強が進むのだ。

オイシックス上村知輝にチームメートは「何で行かないの?」
プロ野球の新戦力補強期限が7月末で終わった。このタイミングで魅力的なオファーを受け、迷いに迷ったあげくにチーム残留を決めたのが、2軍ファーム・リーグに参加するオイシックスの上村知輝投手だ。とはいえ、上村がNPBに進むには、秋のドラフト指名が必須。その前に届いたのはお隣、韓国プロ野球からのオファーだった。この時期、韓国でも最後の補強が進むのだ。
「めちゃくちゃ迷いましたよ。本当のところは……」
7月下旬、こう漏らす上村のもとに届いたのは、韓国プロ野球に今季できた「アジア枠」で残りシーズンをプレーしないかというオファーだった。韓国では選手年俸がメディアの推定ではなく公開される。例えば、5月末に独立リーグの徳島からKIAタイガースに進んだ白川恵翔投手の場合、総額10万ドル(約1560万円)で、うち年俸が4万ドル(約630万円)。プレー期間が短くなるが、月ベースで考えれば上村に持ち込まれたのもこれに劣らない好条件だった。
上村は、創価大から入団して5年目を迎える右腕。ずっとチームの抑えを任され、独立リーグからNPB2軍に戦いの場を移しても数字を一つずつ重ねてきた。2024年はイースタン・リーグ最多の20セーブでタイトルを獲得し、昨年も28セーブ。そして今季の18セーブと合わせて通算66セーブを記録している。今年6月には、従来のNPB2軍記録だった58セーブを超えた。サイドスローからの独特の球筋と、150キロを超える直球が武器だ。
韓国からの話を知ったチームメートからは「何で行かないの?」という声がほとんどだった。行けば、プロ野球選手“らしい”収入を得られるのだ。もちろん魅力的ではあった。ただ上村は悩みに悩んだ末に、このオファーを固辞してオイシックスに残った。
「僕が行きたいのはあくまでNPB。そのためにはどうすればいいかと考えたんです」。韓国プロ野球を経由してのドラフト指名はルール上は可能だが、まだ叶えた選手はいない。しかもシーズンは残り2か月。助っ人外国人としてすぐ結果を求められるプレッシャーの中で、適応に時間がかかることもあり得る。メリットとデメリットを熟考した末にここで投げ続けると決め、断りを入れた。
ただ、韓国プロ野球の1軍から、戦力として来てほしいと誘われたのは、日本の2軍で投げ続けてきた上村にとって一つの大きな自信となった。韓国球界で導入されているABS(機器によるストライク判定システム)も「やってみたかったです」と興味を示す。「もし、去年のオフに韓国の話があれば行っていたと思います」。断った理由の一つに、NPBのスカウトに今季の進化を見ながら評価してほしいとの思いがある。3月には26歳になった。25歳を超えた時、スカウトからの見られ方が変わるのは現実としてある。それでも上村は「僕は全然あきらめてないですから」と言い切る。
「今年はちょっと、つかんだものがあるんですよ」
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