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錦織、右手首の腱損傷はキャリアにどう影響? 専門家が語る負傷の原因と復活への道

「屈強な選手に対抗できるプレースタイルになれば、手首にかかる負担も減る」

 手首にダメージを蓄積させてきた「ひねる」という動作は、再発防止のためにしばらく制限が必要だろう。そして、休養期間にウエイトトレーニングで体を強化することが、レベルアップへの効果が期待できるという。

「世界のトップ選手とこれまで以上に戦うには、筋力向上によるパワーアップが必要になります。パワーアップすると関節や筋肉に負担がかかり、怪我のリスクが高まると指摘する方もいますが、それは間違いです。スクワットやデットリフトなど基礎的なウエイトトレーニグにより、臀部、太もも裏(ハムストリング)、背筋、肩周りなど 全身の筋力を向上させると、ストップ動作やボールを打つ際の衝撃の耐性が高まることが期待できます。コアやインナーマッスルと呼ばれる小さな筋肉も同時に鍛えれます」

 身長178センチというサイズで、190センチ以上の選手たちと互角に渡り合ってきた錦織。ウエイトトレーニングで体の各部分を強化することで、ショットのインパクトで生じる負担に対して筋肉の耐性を高めることが望めるという。「エアーケイ」と呼ばれる全身をひねりながら繰り出す渾身のショットをせずとも、80~90パーセントのパワーで鋭いウィナーを奪うイメージだろうか。

「ベースとなるパワーを高める一方で、すべてのショットに100パーセントの力を使わず、屈強な選手たちに対抗できるプレースタイルになれば、手首にかかる負担も減ります。そうすれば、世界のトッププレーヤーを倒せる可能性は高まると思います」

 新盛氏が提言するように、錦織は長期離脱の試練を「チャンス」に変えることができるだろうか。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

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新盛 淳司

芝浦田町スポーツ整骨院・はり治療院院長

柔道整復師、鍼灸師

新浦安しんもり整骨院入船院、新浦安しんもり整骨院今川院代表も務める。関節ニュートラル整体普及協会会員。サッカー元日本代表MF中村俊輔さんをセルティック時代から専属トレーナーとして支えるなど、トップアスリートのケアにも従事。

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