「プロを名乗っちゃいけない」又吉克樹が襲われた“違和感” 引退決断の裏側…最後に感じた2つの「楽しさ」

メキシコで知った新たな世界…だから気づけた変化「いい影響はない」
リリーフで投げ続けたプロ生活は常に「1球ですべてが終わってしまう」恐怖と背中合わせだった。「そういうことを防ぐために練習もするし、一球をどうやってクオリティが高いものにするかと考えていた」のが、今年は変わってきたのだという。
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「変に冷めているというか……ヒットを打たれても『じゃあ、次のバッターでこういうふうにアウト取って』とプランニングをし始めた自分を感じて、何かちょっと違うなと思ったんです。『これ打たれたら、もう俺終わりだろ』って思っていた時の気持ちと違ってきた」
チームのことまで考えての決断もまた、速かった。「そうなると、周りにもいい影響は与えないので」。オイシックスで感じた気持ちの変化は、又吉の考える「野球の楽しさ」と相いれないものだった。
「楽しむという言葉に皆さんフォーカスしますけど、その背景にあるもの、土台にある『楽しさ』があまりにもズレてしまった。それこそ、プロを名乗っちゃいけないよなと思うくらいに」
もしこの感覚を、メキシコに行く前に感じていたら「たぶんその時点でやめていたと思います」と言う。「メキシコに行って楽しいという表現を覚えて、じゃあその楽しいはどこからきているんだろうと自問自答しているうちに、じゃあ今の自分ってどうなのよとなって、線を引いたんです」。現役最後の1年は、技術も思考も更に研ぎ澄ます時間となった。
プロ選手であろうとするなら、契約してくれるチームがなければ現役を続けられない。多くの選手は自ら望むことなく、プロではなくなっていく。自分で現役引退を決められる選手はほんの一握りだ。独立リーグという細い道をたどってここまでたどり着いた今、思うことがある。
「ここまでと、引退の線を引けるような状態まで持って行った自分は、褒めてあげたいと思います。でも逆に言えば、ずっとできるわけじゃない。自分で引かなければいけないんです。引けるからこそ、自分で決断しないといけないんです」
自分で「ここまで」と決めた現役生活。そしてシーズン中の発表には、独立リーグや2軍球団からNPBを目指す後輩たちへのメッセージが込められていた。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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