ラグビー界で物議「カテゴリ制」新局面を解説 18歳で来日→日本代表に…「屈辱だった」当事者の訴え、その結末は
早ければ今月中の“和解”の可能性も
基本的にリーグワンでは昨年5月の発表したものを一貫して主張してきた。つまり、訴え出た外国人選手や、差別的という世論とは異なる主張を続けてきたのだが、今回のリリースは、わずか238文字という短文ながら注目するべきメッセージを読み取れるものだった。通常、90%以上は日本語のみのプレスリリースが、今回は英文バージョンと一緒に送られてきたことも、ことの重大さ、とりわけ海外メディア、世論の反応を重々に、かつ慎重に意識していることが読み取れるが、それ以上に従来からのスタンスを基本としながらも、一歩踏み込んだ言葉を使っている。
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それは「見直し案について協議を進めております」という見直しを進めようという積極さであり、「制度の見直しの詳細について改めて発表いたします」という、制度の修正を認める言い回しだ。裁判所の裁定がいつ下されるかは計算が立たない一方で、先にも触れた通りリーグ、選手側双方が、裁定前にも合意を目指そうという意思を持って話し合いを進めており、一部関係者は「7月の解決を目指したが、そこまでには至らなかった。でも、来月(8月)末までの最終決定の可能性は模索している」と、早ければ今月中の“和解”の可能性も見えてきている。
もし昨年5月の発表から修正、変更があるとすれば、おそらく「A1、A2の撤廃」まで踏み込まず、今回差し止めを求めたティムらのような代表で長きに渡り貢献してきた選手、日本国籍取得選手らへの“特別措置”が取り入れられることになるだろう。このような「A1、2撤廃」か「特例容認」かの議論については、外国出身選手自身や“人権派”のサイドからは全面撤廃が求められるかも知れないが、今回の修正案が生まれた背景にある「日本出生選手への優遇」を考えると、合意、撤廃は難しいのが現実だろう。
一部には、この日本選手への優遇が、競技人口の拡大に大きな影響はないという声もある。海外出身選手の増減は国内競技人口とは実際は関係ないという主張だが、会見でもティムは「子供たちがリーグワンの試合をみて、外国人たちが多いのでラグビーをやりたくないと思うとは考え難い。日本のためにプレーしたいと思うのは当たり前のことで、私もラグビー選手になりたいと思って育ってきたので、むしろどうやってラグビー人口を増やすのか、どうやって子供たちがラグビーという競技に従事するよう、目標を持て、動機付けするかを考えた方がいいかと思う」と指摘している。
だが、これだけジュニア世代、育成世代の人口が激減する状況を現場で見てくれば、子供たちから「リーグワン選手になれる」という夢や憧れを奪う可能性がある現実を、なんとか前向きな方向へ修正したいと考えるのは当たり前のことだ。
子供たちは、初見では日本選手、海外選手を問わず華やかなプレーや、国際舞台で活躍する代表選手の姿に惹き付けられ、憧れる。だが数か月もすれば、かなり現実的に自分が置かれた状況や日本代表、トップチームのメンバー構成などを理解して、シビアな未来図も描けるものだ。むしろ理想論に走る大人よりも子供の方が現実的な視野を持つことも多い。前のコラムでも触れたように、高校指導者が「ウチに来て将来代表を目指そう」と“但し書き”抜きで語れなくなっているのが現実だ。
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