大学女子駅伝日本一の裏に“走れない主将” 前日に涙のスピーチ「走るのは6人だけど…」最後にまた滲んだ秋の空――名城大・瀬木彩花

危機感、重圧、不安と闘った主将の1年
危機感、常勝軍団を背負う重圧、「自分にできるのか」という不安と必死に闘いながら、瀬木はチームを率いてきた。
夏前のミーティングでは、米田勝朗監督から問われた。「今の状態で駅伝を優勝できるのか」。みな下を向いた。誰も手を挙げられなかった。
このままではいけない。今の4年生が1年生だった2023年には全日本大学女子駅伝で7連覇を達成。しかし、翌年から2大会連続で優勝を逃していた。上級生が走れなければ、強いチームにはなれない。4年生を中心に危機感を共有し、もがきながら、1つ1つ積み重ねてきた。
瀬木自身、順調に練習を積み、大会前には「今シーズンで一番いい状態」だったという。それでも、厳しき勝負の世界。勝つための6人しか選ばれない。選手層の厚い名城大において、瀬木は出走メンバーに選ばれなかった。
現実を受け止めた。1人の選手としては、この上なく悔しかった。でも主将として、下を向いてばかりはいられない。チームを勝たせるために「今できる」役割を全うした。
「キャプテンになった時、自分が走って駅伝で優勝することを目標にしました。走れなかったことはすごく悔しいですが、自分が走れなくても、チームで優勝するという目標は変わりませんでした」
その思いは、仲間たちにも届いていた。
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