10秒00の兄を追い…最後の日本インカレ自己新2位→大学で引退 種目は違えど、存在は「刺激に」――東洋大・柳田聖人
集大成の舞台で全てを出し切った。大会最終日の男子400メートル障害決勝、柳田聖人(東洋大4年)が激しい雨の中、自己ベストの49秒35をマークして2位に入った。

「THE ANSWER 陸上PLUS|STORY」 日本インカレ・日産スタジアム(9/5-7)
集大成の舞台で全てを出し切った。大会最終日の男子400メートル障害決勝、柳田聖人(東洋大4年)が激しい雨の中、自己ベストの49秒35をマークして2位に入った。
中盤以降に鋭く伸びた。家族、仲間、そして支えてくれた人への感謝を胸に、持てる力を出し尽くした。直線に入ると先頭を争った。優勝した菊田響生(法大2年)に0秒28及ばなかったが、悪条件をはねのけた自己ベストだった。
「優勝したかった。悔しい気持ちが一番大きい」
そう口にすると、言葉に詰まった。それでも「一番狙っていた大会で自己ベストを出せた。それはすごくうれしいし、今までサポートしてもらった人に少しでも恩返しができたかなと思います」と笑った。悔しさと嬉しさ。どちらも偽らざる本音だった。
男子100メートルで10秒00の自己記録を持つ大輝(ホンダ)を兄に持つ。東京農大二高、東洋大と同じ道を歩んできた。「兄は自分よりも何個も上のステージで戦っている。ずっと刺激になって、自分も頑張ろうと思えた」。種目は違えど、向上心をかき立ててくれる存在だった。大会前には「最後は楽しんで。自分の力を出し切ってくれ」と励まされた。「いろんなサポートをしてもらっているので、少し恩返しができたかな」と話した。

濃密な大学生活を過ごし、成長を遂げた。「入学した頃は周りの選手と比べてレベルも低かった。監督、コーチ陣がアドバイスをくれたり、メニューも一緒に考えてくださった。すごく感謝ですし、自己ベストという形で結果を残せてうれしい」。今後は国民スポーツ大会への出場を予定しているが、日本インカレを競技生活の集大成と位置づけていた。自身の努力と周囲の支えが、最後の日本インカレで実を結んだ。
大学で競技を引退し、卒業後は一般企業に就職する。もともと大学入学時から競技生活は「4年間」と決めていた。「それがあったからこそ、大学4年間は高いモチベーションで競技を継続できた。陸上が楽しいからやってきましたけど、仕事として陸上をやると……。やっぱり、その気持ちが薄れてしまうのかなと思って」。最後まで自分の軸はぶれなかった。
充実感とともに、高いレベルの中で壁と向き合い続ける厳しさも味わった4年間。「これからの人生がどんな感じになるのか分からないですけど、この経験より苦しいものはない。そう思って頑張りたいです」。一日一日の練習に妥協なく向き合ってきた。その経験を胸に、次のステージへ進む。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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