友達と雑談、聞こえない耳に引け目…「ずっと無言だった」少年が全国へ 陸上が変えた人生「障がいなんて関係ない」――北海道高等聾学校・池田悠真

健常者に混じったからこそ気付いた「自分から動かないと何も始まらない」
ハンデを抱える中、健常者と同じ舞台で競争する池田だからこそ、気付いたことがある。
「聴覚障がい者は、自分から話しかける勇気があまりないんです。耳が聞こえなくて、話しかけ方が分からないので。だからこそ、自分から動かないと何も始まらない」
その言葉に、記者はハッとさせられた。
失礼なことを言って傷つけてしまう不安や、接し方が分からない戸惑い。日常で接する機会がほとんどなく、コミュニケーションは慎重になってしまう。
健常者が障がい者に対して思っていること。それは立場が逆でも同じことが言えるのだ、と。
「コミュニケーション力って、本当に大事なんですよね」と記者を見て、また笑みを浮かべる。
卒業後の進路は未定だが、今後も砲丸投げは続ける予定だ。
「投げが悪かった時に、どこがダメだったかを考えて、次の一投に生かせるのが面白いんですよ。最高の投げになると気持ちいいんです」
取材を終え、爽やかな笑顔で去っていく後ろ姿を見て胸が熱くなった。
かつては、ずっと無言だった少年。陸上と出会い、芽生えた強い意志は、これからも放ち続ける砲丸とともに、どこまでも遠くへ飛んでいく。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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