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もう一つのジャパン 7人制代表は東京五輪でメダルを狙えるのか? 現在地と課題

ラグビーワールドカップ2019は日本中を熱気に包みながら南アフリカの通算3度目の優勝で幕を閉じた。この大会の成功を大きく後押ししたのは日本代表の躍進だったが、もう一つの“ジャパン”7人制日本代表が、2020年東京オリンピックでの飛躍をめざして強化を加速している。

東京オリンピック挑戦を表明している福岡堅樹【写真:Getty images】
東京オリンピック挑戦を表明している福岡堅樹【写真:Getty images】

15人制で躍進の日本代表、7人制で挑む2020年東京五輪での可能性は?

 ラグビーワールドカップ2019は日本中を熱気に包みながら南アフリカの通算3度目の優勝で幕を閉じた。この大会の成功を大きく後押ししたのは日本代表の躍進だったが、もう一つの“ジャパン”7人制日本代表が、2020年東京オリンピックでの飛躍をめざして強化を加速している。


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 今月7~9日にスバ(フィジー)で行われた国際大会「オセアニア・セブンズ」に、日本は7人制の強化育成チーム「セブンズ・ディベロップメント・スコッド(日本SDS)」として参戦。男子SDSは、優勝したオーストラリア、リオデジャネイロオリンピック金メダルのフィジー、ニュージーランドら強豪が参戦する中で、サモアを倒して3位に食い込む健闘をみせた。

 来年の東京オリンピックでも優勝候補筆頭のフィジーには2戦して、ともにノートライに封じられるなど力の差を見せつけられたが、同じく金メダル候補のニュージーランドを17-14と撃破。1年を切った東京への期待も感じさせた。

 15人制の日本代表は2015年ワールドカップで南アフリカを倒し、プール戦3勝という躍進を見せた。そして日本大会では、4年前を上回るベスト8入り。世界で称賛の嵐がいまだに吹いている。しかし、7人制日本代表は3年前のリオデジャネイロオリンピックで、“ジェイミー・ジャパン”ですら到達できなかった4位に輝いている。

 リオでは、坂井克行ら7人制のスペシャリストに、福岡堅樹ら15人制代表でも活躍するメンバーをミックスした布陣で成功を収めた。当時指揮を執った瀬川智昭監督の緻密な分析と戦術を武器に、メダルにあと1歩まで上り詰めた。優勝候補だったニュージーランドに14-12で競り勝つなど、組み合わせによる運やフロックによる結果ではないことも証明してくれた。

 前回オリンピックで7人制が正式種目入りしたことで、7人制ラグビーの戦術的な進化はさらに加速している。15人制からは離れた7人制に特化した戦術、スキルが従来以上に選手に求められてきているのだ。15人制だけをプレーしてきた選手が7人制代表に選ばれるチャンスは年々狭き門になっているのだが、現在の7人制日本代表のポテンシャルを考えると、15人制代表メンバーの能力と経験値を有効利用したいのは4年前と変わらない。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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