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井上尚弥が敢えて問題児ネリと対戦する理由 「受けて立つ」と陣営代弁、ファンに応える歴史的一戦

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6日、都内で会見し、5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を行うと正式発表した。過去の騒動で無期限資格停止処分を受けていた“悪童”との一戦。井上はなぜ、問題児との対戦を選んだのか。ファンの想いを大切にする井上らしい選択があり、常に「ヒリヒリする試合」を求める。陣営の大橋秀行会長も想いを代弁した。

井上尚弥(左)とルイス・ネリ【写真:中戸川知世】
井上尚弥(左)とルイス・ネリ【写真:中戸川知世】

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 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6日、都内で会見し、5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦を行うと正式発表した。過去の騒動で無期限資格停止処分を受けていた“悪童”との一戦。井上はなぜ、問題児との対戦を選んだのか。ファンの想いを大切にする井上らしい選択があり、常に「ヒリヒリする試合」を求める。陣営の大橋秀行会長も想いを代弁した。


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 モンスターの表情はいつも以上に険しく見えた。挑戦者も来日した異例の会見。ネリが隣りに現れると、井上も顔を見合わせ、互いに微笑みながら頷いた。マイク・タイソン以来34年ぶりの東京Dボクシング興行。井上は「凄くモチベーションが高い。何と言っても相手はネリ。凄く気を引き締めないと。過去イチ仕上げなければならないと思うし、試合内容も凄く白熱する」と力を込めた。

 ネリはWBCの世界ランク1位として指名挑戦権(団体内で優先的に世界挑戦できる権利)を持つ。しかし、4団体統一王者の井上は各団体から対戦相手を選べる立場でもある。「試合が決まるにあたり、まずこちらが王者ということで選択する範囲が広いので大橋会長と相談しました。WBCの指名挑戦者と戦うことを決めました」と敢えてネリを選んだことを明かした。

 ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性判定(試合は4回KO勝ち)。18年3月の再戦では大幅な体重超過で王座剥奪された末、2回TKO勝ちした。日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分を受けたが、海外でその後も2度体重超過。当時、井上はSNSで「ボクシング界から追放でいい」と投稿。ルールを守れない選手とは試合をしたくないという主旨の発言もしていた。

 しかし、井上はファンの想いを大切にする。強敵はもちろん、ファンの求めるカードを自らも望んできた。ネリ戦に賛否はあるが、山中氏の無念を晴らしてほしいという想いを持つ日本人ファンも多い。第2戦を現地観戦していた井上は「過去に因縁があるのもわかっています。けど、今回の試合は自分対ネリ。過去の因縁は持ち込まない」と強調したが、結果的には待望のカードに応える形となった。

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