冬の低山で急に雪や凍結…モンベル「チェーンスパイク」は普通の登山靴にも使える?
モンベル「チェーンスパイク」は、冬の低山や夏の雪渓歩行向けの軽アイゼン。柔らかいトレッキングシューズにも装着でき、全面のスパイクが雪上での歩行を支えます。装着方法、重量、対応サイズ、本格的な雪山で使えない理由まで公式情報から整理します。

モンベル「チェーンスパイク」は、冬の低山や夏の雪渓で足元の滑りに備える軽アイゼン。
- ・全面のスパイクをチェーンで連結し、雪上での安定性を確保
- ・靴の屈曲に追従するため、底の柔らかいトレッキングシューズにも対応
- ・242~316g/ペアと持ち運びやすい一方、本格的な雪山登山用ではない
冬の低山では、登山口に雪がなくても、標高を上げるうちに雪が残っていたり、朝晩の冷え込みで登山道が凍っていたりすることがあります。
そんなときに気になるのが、「普段使っているトレッキングシューズのままで、滑りにくくする方法はないのか」ということです。
モンベルの「チェーンスパイク」は、冬の低山や夏の雪渓歩行に適した軽アイゼンです。
スパイク(爪)をチェーンで連結し、靴底全体に配置。雪や土が交互に現れる低山などで使うことを想定しながら、靴下を履くような感覚で簡単に着脱できるよう設計されています。
普通のトレッキングシューズにもチェーンスパイクは付けられる?
本格的な雪山で使うアイゼンの中には、靴底が硬い専用の登山靴への装着を前提としたものがあります。
一方、モンベルのチェーンスパイクは、スパイクをチェーンでつないだ構造です。
チェーンが靴の屈曲に柔軟に追従するため、メーカーは底の柔らかい靴にも対応すると説明しています。
装着する際は、柔らかなバンド部分を靴の上からかぶせます。モンベルが「靴下を履くような感覚」と表現するシンプルな構造です。
靴底を硬い金属のフレームで固定するのではなく、スパイク同士をチェーンで連結。靴を曲げたときにも構造が追従することで、柔らかいトレッキングシューズでも使えるようにしています。
チェーンスパイクは「雪山専用の硬い登山靴を用意しないと使えない道具」ではありません。普段の低山ハイクで使うような、底の柔らかいトレッキングシューズにも対応することが特徴です。
雪道で足の一部だけに爪があると不安…靴底全体で滑りに対応できる?
モンベルのチェーンスパイクは、靴底の一部分だけではなく、全面にスパイクを配置しています。
メーカーは「全面スパイク仕様」とすることで、高い安定性を持たせたと説明しています。
スパイクには、さびにくいステンレス鋼を使用しています。
冬の低山では、雪だけではなく土が露出した場所が途中に現れることもあります。モンベルは、積雪のある低山でチェーンスパイクを使う場面として、雪と土が交互に現れるようなコースを挙げています。
靴底の前後にスパイクを配置し、足裏全体で雪面を捉える構造です。チェーンでつなぐことで、靴の動きや路面に合わせて形が変わります。

寒い場所でバンドが硬くなって、装着しにくくならない?
チェーンスパイクは、靴の外側をバンドで覆うことで固定します。
しかし、冬の屋外では気温が下がるため、素材が硬くなると着脱しづらくなる可能性があります。
モンベルは、チェーンスパイクのバンドに低温下でも硬化しにくい柔らかな素材を採用しています。
現行モデルのバンド素材はエラストマーです。
この柔らかいバンドとチェーン構造を組み合わせることで、特別なバックルを操作するのではなく、靴の上からかぶせる形で装着できるようになっています。
柔らかいだけではなく、低温下でも硬化しにくい素材を使う。冬の屋外で着脱する道具だからこそ、固定部分の素材にも工夫があります。

雪があるか分からない日に持っていくには重くない?
冬の低山では、必ずチェーンスパイクを使うとは限りません。
登山口から山頂まで雪がほとんどなく、結局バックパックから一度も出さないことも考えられます。
そのため、「念のため持っていく装備」としては重量や収納サイズも気になります。
現行チェーンスパイクの重量は、Sサイズで242g、Mで263g、Lで287g、XLで316g。いずれも左右ペアの重量です。
収納サイズは9×9.5×6cm。スタッフバッグも付属しています。
モンベルも、雪があるか分からないときや凍結が心配なときなど、使用しない可能性がある場合には、コンパクトに収納できて持ち運びやすい軽アイゼンを備えることを提案しています。
冬山装備として常に足に付けて歩くのではなく、必要な場所までバックパックに入れて持ち運ぶ使い方も想定しやすいサイズです。

チェーンスパイクなら本格的な雪山でも歩ける?
ここは特に注意が必要です。
モンベルは、チェーンスパイクを「簡易アイゼン」と位置づけています。
適した用途として挙げているのは、冬の低山や夏の雪渓歩行です。
一方で、森林限界を越えるような本格的な雪山登山には使用しないよう明記しています。
一般的な雪山用アイゼンは10~12本程度の爪を備えるのに対し、軽アイゼンは雪が比較的少ない場所や傾斜の緩い場所、凍結が予想されるコースなどでの使用を想定した装備です。
使う場所の難易度や積雪、傾斜によって必要な装備は変わります。モンベルも、本格的な雪山では別の雪山用アイゼンを使うよう案内しています。
6本爪の軽アイゼンとは、どう使い分ける?
モンベルは、積雪のある低山ハイク向けとして、チェーンスパイクだけでなく6本爪の「スノースパイク6」シリーズも展開しています。
6本爪モデルは、靴底中央部に金属製の爪を備えるタイプです。
一方のチェーンスパイクは、靴底全体に小さなスパイクを配置し、それらをチェーンでつないでいます。
モンベルはチェーンスパイクについて、前爪のあるモデルより軽量で気軽に使用でき、土と雪が交互に現れるような低山のコースに適していると説明しています。
つまり、単純に「爪の数が多い方がいい」と考えるのではなく、歩くコースや積雪量、傾斜などに合わせて選ぶ必要があります。
サイズは靴のサイズと同じものを選べばいい?
チェーンスパイクはS、M、L、XLの4サイズを展開しています。
Sは20.5~23.5cm、Mは23.0~26.0cm、Lは25.5~28.5cm、XLは28.0~31.0cmに対応します。
ただし、モンベルは靴の形状によっては、対応サイズ内であっても装着できない場合があるとしています。
靴のサイズの数字だけでなく、実際に組み合わせる靴との相性を確認する必要があります。
また、サイズごとにアイレットの色が異なり、Sはイエロー、Mはレッド、Lはグレー、XLはグリーンになっています。

装着するときに間違えやすいポイントは?
チェーンスパイクは簡単に装着できる構造ですが、取り付け方向には注意が必要です。
モンベルは、スパイクの三角形の突起が必ず外側、つまり地面側を向くように装着するよう案内しています。
裏返して装着すると、滑り止めとしての効果を発揮できません。
靴に取り付けられたから終わりではありません。歩き始める前に、三角形のスパイクが地面側を向いているか確認することが必要です。
モンベル「チェーンスパイク」の主な製品情報
| 商品名 | チェーンスパイク |
|---|---|
| ブランド | mont-bell(モンベル) |
| 品番 | #1129740 |
| 分類 | 軽アイゼン/簡易アイゼン |
| 適した用途 | 冬の低山、夏の雪渓歩行 |
| チェーン素材 | ステンレス鋼 |
| バンド素材 | エラストマー |
| Sサイズ | 20.5~23.5cm/242g(ペア) |
| Mサイズ | 23.0~26.0cm/263g(ペア) |
| Lサイズ | 25.5~28.5cm/287g(ペア) |
| XLサイズ | 28.0~31.0cm/316g(ペア) |
| 収納サイズ | 9×9.5×6cm |
| カラー | オレンジ |
| 付属品 | スタッフバッグ |
| 価格 | 5,800円(税込) |
「雪があるか分からない」に、軽さと着脱のしやすさで備えるチェーンスパイク
モンベルのチェーンスパイクを理解するうえで重要なのは、本格的な雪山用アイゼンの代用品として見ることではありません。
チェーンで靴の屈曲に追従し、底の柔らかいトレッキングシューズにも対応する。柔らかなバンドを靴の上からかぶせることで着脱しやすくし、全面のスパイクで雪上の歩行を支える。
さらに、使わない可能性がある日でも持ち運びやすいよう、242~316g/ペアの重量とコンパクトな収納サイズにまとめています。
「低山だけれど雪が残っているかもしれない」「朝の冷え込みで登山道が凍結しているかもしれない」。そんな足元の変化に備えるための装備として考えると、チェーンスパイクの役割が分かりやすくなります。
【写真提供:モンベル】
(THE ANSWER編集部)
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