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引退・陽岱鋼を“叱った”人物「こっちがコーチ失格」 レジェンドが語る伝統の伝え方…ずぶ濡れ引退式に見た絆

プロ野球の日本ハムと巨人でプレーした陽岱鋼外野手が今季限りの引退を表明し、27日には異例となるビジター球場での引退セレモニーが行われた。現在は“2軍球団”のオイシックスでプレーする陽はこの日、千葉県鎌ケ谷市で行われた日本ハム戦に出場。若き日に腕を磨いたグラウンドに別れを告げた。花束を渡したのは、若き日の陽にカミナリを落とした人物。スーパースターはいかにして「ふ化」したのだろうか。

引退式で記念撮影した陽(右)と清水さん【写真:羽鳥慶太】
引退式で記念撮影した陽(右)と清水さん【写真:羽鳥慶太】

若き日の陽を闘いながら育てた清水雅治さん「義務感がすごかった」

 プロ野球の日本ハムと巨人でプレーした陽岱鋼外野手が今季限りの引退を表明し、27日には異例となるビジター球場での引退セレモニーが行われた。現在は“2軍球団”のオイシックスでプレーする陽はこの日、千葉県鎌ケ谷市で行われた日本ハム戦に出場。若き日に腕を磨いたグラウンドに別れを告げた。花束を渡したのは、若き日の陽にカミナリを落とした人物。スーパースターはいかにして「ふ化」したのだろうか。

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 2010年ごろ、日本ハムのキャンプや試合前の練習を見たことがある方なら、ひょっとしたら聞き覚えがあるかもしれない。外野を守る陽や糸井嘉男、中田翔といった選手に向けた「コラーっ!!」という声を。よく通る大声の主は、当時1軍の外野守備、走塁コーチだった清水雅治さんだ。

 現役時代、中日と西武で守備走塁のスペシャリストとして鳴らした清水さんは、現在日本ハムの2軍コーチ。27日の引退セレモニーでは、花束を渡し、土砂降りの雨の中で記念写真に収まった。連戦前には挨拶に来た陽と言葉を交わしたが「こっちがうるっときちゃったな。もうあいつも40歳だもんな」と漏らす。

 内野手としては送球に悩んでいた陽が、外野に転向したのは入団4年目の2009年のこと。清水さんは1軍に上がってきた陽を一人前にしようと必死だった。「(当時の監督)梨田さんの時に外野になって、こちらとしては『使ってくれ、使ってくれ』って梨田さんに頼んだんだけど。ポロポロ、ポロポロ送球ミスをしてね。『あれで使えるか!』って言われたこともあったね」と懐かしそうだ。

 陽はそこから、ゴールデングラブ賞を4度も獲得する名手に育っていく。コーチとしては鍛えがいのある素材だった。「足は速いし、肩は強いし。こいつを1軍選手にできなかったら、こっちがコーチ失格だなっていうくらいの、なんか義務感みたいなのがすごかったよね」と、出会った頃の強烈な印象を口にする。チームを強くするには、レギュラーを獲ってもらわないといけない選手だった。指導の中で「すごく怒ったりもしたけれど、その何倍もの思い出があるよ」と、強い絆が生まれた。

「見ていてこっちが楽しかったもん」と言うのは、あえて走者に三塁を回らせ、本塁送球で刺してみせる守備だ。「わざと、回してきそうな位置に(守備位置を)置いておくんだよね。そうしたら突っ込んできてアウト」と今でも愉快そうに振り返る。選手と本気で向き合った日々は、清水さんにとっても忘れられぬ記憶だ。

「出会えた事に感謝だよね。言うことを聞かない時はイライラもしたけど、こういう選手が減ってきた気がする。こっちが夢中になれる選手というのかな。一線を引いて、覚めた目で見る選手が増えたというかね……。コーチが一緒になって燃えて『何とかしてやる!この野郎!』みたいな選手が減った気がするんだよ」

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