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NPB“指名漏れ”から台湾でプロに…逆輸入左腕が日本で待つドラフト指名 阿部雄大が歩く新たな道

ENEOS時代には東京ドームの都市対抗でも投げた【写真:羽鳥慶太】
ENEOS時代には東京ドームの都市対抗でも投げた【写真:羽鳥慶太】

助っ人外国人になって感じた難しさ「チームの勝利も、自分の結果も…」

「僕の今年の目標はNPBに入ることだったので、ここでNPBチームと対戦するのを見てもらったほうが、可能性があるんじゃないかと思って決めました」

 台湾のプロ野球では打者の傾向を「まっすぐに強いとは思います」と感じた。一方で「日本でもそういう選手はいる。別に台湾の選手だからどうこうじゃなくて、国による違いはあまりないと思うんです」。さまざまな打者がいるのは、どの国でも変わらないという。さらに、台湾では現在、プロ野球の人気が急上昇中。国は変われど1軍の舞台で、大観衆を前に投げた。感じたのは、シーズンを通して先発のイスを守り続ける難しさだ。

「助っ人外国人として行ってるわけで、他の外国人に負けちゃいけないですし。チームの勝利が一番ですけど、自分も1年契約なので来季に向けてのアピールもしないといけない。そうするとやっぱり、結果が全て。ローテを守ってチームの勝利に貢献しつつ、自分の結果も出さなきゃいけない難しさはありましたね」

 台湾プロ野球も日本と同じく、月曜が休養日になる。阿部は毎週火曜日、カードの頭で投げ続けた。「1週間の流れを崩しちゃいけないんで……」と、曜日が回るたびにプレッシャーを背負う日々。それまで過ごしていた社会人野球は、夏と秋の全国大会に向けてピークを作っていく世界だ。毎週の登板で、常に及第点を求められるプロ野球の世界はまた、勝手が違った。

「最後はボールの出力が落ちたんです。まっすぐが6割しか出なくなったとするじゃないですか。そこで試合を作ろうと低めに投げようとして、ちょっと1球分外れたりとか。同じことができなくなって、ちょっとずつズレたのが積み重なっていった。ストライクゾーンで勝負できなくなったのもあります。やっぱりマウンドに立たないとわからない苦しさがあるので、そこは難しかったですね」

 ENEOS時代と同じことを続けても、NPB入りはかなわない。台湾では投球のバリエーションを広げようと試行錯誤もした。まっすぐとスプリットを中心とした投球に、3つ目の選択肢を加えようとスライダーの練習を続けた。「もう一個、曲がり球が欲しいというのがずっと課題だったので。社会人の時も投げていたんですけど、割合を増やそうとキャンプでも、2軍戦でもずっと練習していました。時間はあったので」。2軍球団で重ねる登板はその集大成。待ち続けた阿部に、指名の声はかかるか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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