ラグビー日本代表、56失点惨敗の検証 善戦→1週間で激変のなぜ…2m級大型化で“足りぬ存在”が浮き彫り
メモ書きしたノートに書き殴った「PK&仕留め」の言葉
試合展開をメモ書きしたノートに、こんな言葉を書き殴った。
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「PK&仕留め」
後半20分過ぎの時間帯に書き込んだものだが、意味するのは、反則の多さ(PK)と攻撃からスコアに結び付ける遂行力(仕留め)の低さだ。この試合の途中で感じ取ったメモが日本の課題であり、敗因だ。
反則数自体もオーストラリアの5に対して日本は13を積み重ねたが、反則が勝負を決すると言っても過言ではないテストラグビーで、この数字は致命的でもある。反則回数も然りだが、相手との格差が苦戦を物語る。許した8トライの中で3本をPKから許し、他の3本は日本の反則によるアドバンテージの中で奪われている。オーストラリアを相手に接戦を演じた過去2試合を実力だったとしても、拮抗した力の相手に対して2.6倍の反則を犯せば勝つのは容易ではない。前週の接戦での反則数は日本10、オーストラリア9だったが、今回の反則数の格差は、勝者がゲームスタイルを変えてきたことが影響していた。
小型カンガルーから取った「ワラビーズ」を愛称に持つこのチームだが、フィジカルの強さ、体の大きさは世界ランク8位とはいえ世界有数だ。ホームでの80分では、前週以上に、このパワーを前面に押し出してきた。日本陣ゴール前まで攻め込むと、迷いなく密集周辺でのダイレクトプレーを徹底。その結果、開始7分のファーストトライから後半18分までの5トライは全て巨漢、パワー自慢のフロントローが独占した。同33分の6トライ目はFLチャーリー・ケールが挙げたが、それもスクラムを押し切ってのもの。7本目はNo8ハリー・ウィルソン主将が仕留めたが、インジャリータイムの8トライ目は再び控えHOブランドン・パエンガ=アモサが締めた。
エディーは会見で「(ワラビーズPR)タニエラ・トゥポウがゴールにピザが置いてあるかの如く飛び込んできてトライをしていたが、後でピザを食べに連れていかないとね」と2トライを決めた体重135kgの巨漢の活躍で周囲を笑わせたが、ワラビーズFW勢が遮二無二前へと仕掛けてきたこの試合の真相を、ジョークに例えて指摘していた。
辛勝だった1戦目から、ワラビーズは自分たちの強み、日本の弱みを的確に分析して臨んできた戦略の勝利でもあった。スタッツでは双方とも成功率100%だったスクラムでも、勝者は2度、重圧を掛けてのアドバンテージ(日本の反則)の中でトライをマークしている。
このFWでの徹底したフィジカルファイトが、日本に重圧を掛け、相手の2.6倍の反則を犯させた大きな要因ともなった。反則数は、日本が17-21と4点差で折り返した前半は3とワラビーズと同数だったが、相手が更にFW勝負を仕掛けてきた後半は10対2と明暗を分けている。エディーも「相手にボールを支配される時間が増えたことが大きな要因だった。我々は長時間にわたって守備を強いられることになり、そこでワラビーズのコンタクトプレーにおける優位性が際立った」と、後半の相手の猛威を振り返っている。
この負け方は、1試合だけの一過性のものとは考えるべきではない。試合が行われたオーストラリアで14か月後に開幕するワールドカップ(W杯)で日本との対戦が決まっているチーム(フランス、サモア、アメリカ)は、この日のワラビーズが仕掛けてきたゲームスタイルを参考にしてくるのは間違いない。
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