痛み抱え走る日々から「なんか幸せだな」 壊した悪癖…社会人4年目、25歳で訪れた“転機”とは――壹岐あいこ

染みついた意識の改革、「掻くみたいな…」悪癖を壊して進化
好調を支えているのが「フォーム改良」だ。男子100メートルで日本選手権4連覇を果たした大阪ガスの江里口匡史コーチと、ミニハードルを使った動き作りを重ね、走りを変えてきた。
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「私は300メートルとかも走れるタイプで長い距離が苦手ではないんです。ただ長い距離に適した走りが、私の中で染みついていた部分もあって……。100メートル、200メートルのスプリントの動きができていなかった。なので、江里口コーチと一緒に、ミニハードルを使った練習で『縦の動き』っていうのを意識して、この冬はずっと練習していました」
体に染みついてしまっていた意識を変える作業だった。それまでの悪癖を少しずつ壊し、100、200メートルで求められるスプリントの動きを、あらためて追求した。
強く意識したポイントは、足を「引き付ける」動作。「その後は自分で、いい位置に力強く接地する。その2段階でやりました」と説明する。
「私は割と自分から地面を取りに行く、ちょっと大げさに言うと、掻くみたいな動作があった。それで足の負担が大きかったと思うんです。ミニハードルを使って、いい位置に接地する。乗り込める場所に接地する。それを徹底してきて、怪我をしないことにもつながったのかなと思います」
まだ「継続してやらないと、忘れてしまう」と言うが、成果は数字に表れている。今季は5月の関西実業団選手権の200メートルで4年ぶりの自己新となる23秒41。また100メートルでも6月の日本選手権で11秒48の自己ベストをマークした。
進化と同時に、走りを変えたことで手にしたものがある。痛みを気にせず走れる日々だ。「痛みなく試合のスタートラインに立てているっていうのは……嬉しいなって思っています」と実感を込める。
9月には名古屋アジア大会の舞台に立つ。
「予選で自己ベストを更新して決勝につなげる。決勝でも自己ベストを更新し、しっかり走るのが目標です」
故障に苦しんだからこそ見つけた、新しい自分の走り。痛みを気にせずスタートラインに立てる喜びを力に変え、アジアの舞台でさらに速い自分を目指す。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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