ラグビー日本代表、W杯ポジション別最新序列 「8割完成」の真偽…世界一デカいFW第3列に現れた「20番の職人」

バックローで存在感を増しているFLベン・ガンター
<FL/No8>
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FL、No8で構成されるバックロー(FW第3列)は、3試合を通じてFLベン・ガンター(埼玉WK)が存在感を増している。ここまで怪我が多く、余りあるパワーで反則も多かったが、昨秋のテストシリーズ以降のパフォーマンスは目を見張る。今回の3連戦では毎試合両チームトップのタックル数をマークするなど体を張り続けた。消耗も相手との激突も多いポジションながら、ここまでの3試合中2試合をフル出場して、3試合=240分で225分というプレータイムを叩き出すのも、エディーの信頼の表れだ。
ガンターがチーム内で務める役割は、リーチマイケル(BL東京)が長く担ってきた。チームの中で先頭に立って体を張ってきたのがリーチだ。ガンターが先発で出場し続ける一方で、この37歳のベテランがリザーブに置かれているのも象徴的だが、リーチ自身の取り組む姿勢が興味深い。
「今のチームはすごく良くて、世界でいちばんデカいんじゃないかという中で勝負している。僕としては、与えられた役割をやることが大事で、20番の職人になりたい。(ピッチに)入った時にゴールド(エフォート)を探しまくって、とにかく運動量、タックルだったりボールキャリー、前に出る、声を出すことを続ける。短い出場時間の中でどれだけ出来るか。エディーはインパクトプレーヤー(途中出場選手)の重要性をいま高めていて、そこは数値もいいし、相手を上回れていると思う」
2008年の代表入りから長らく中心選手として活躍してきたリーチ自身が、自分の役割の変化を理解して新たな挑戦に取り組んでいることがバックローの厚みを物語る。このテストマッチ3連戦でリーチはリザーブ選手(20番)として、後半出場して防御を中心にワークレートの高さを発揮し続けていた。フランス戦では、後半17分の自陣ゴール前の防御でタックルから、そのままボールを奪い獲るジャッカルを決めると、残り4分の自陣での防御でも、ラックでボールに絡んでPKを獲得するなど、鬼気迫るタックル、ジャッカルを繰り広げた。途中出場での限られた時間でのプレーではあるが、1分間に換算したタックル数を見ると、イタリア戦、フランス戦でトップの数値を叩き出し、自身のパフォーマンスでチームが唱える「ゴールド・エフォート」を体現し続ける。
疲労が重なるチームを終盤ブーストさせる役割に徹するリーチだが、新たな仕事のための努力も惜しまない。
「スタメンと20番では準備の仕方が違っていて、例えば食事の摂り方も違う。後半にピッチに出て行くので、30分くらい遅らせて、(スポーツ競技用栄養補給の)ゼリーやグミ、カフェインの採り方も気を付けています。もっとハードワークしたいので、体作りも、もっとシャープにして、(同時に)サイズも上げていきたい。次の合宿までにすこし重くして、今は112、3kgだけど115くらいにしたい」
後半に入ってから相手にインパクトを与えるための取り組みは流石ベテランだが、チームのパフォーマンスには厳しい視点も持つ。
「アイルランド戦以外は早い時間帯にトライをされている。そこは、練習でもっと(対策を)やってもいいかなと思いますね。スタートをどれだけ大事にするかというのはね。トライを取られたから、じゃあ頑張ろうではダメだし、立ち上がりをもっと大事にしないといけない」
リーチは、フランス戦を終えて代表キャップ数95。98キャップという大野均の歴代最多の更新、そして初の3桁キャップが刻々と近づくが、本人は「全く気にしてない」と言い続ける。この男らしい謙虚さもあるのだが、それ以上にこの10月で38歳、来年のW杯は、サモアとの第1戦の4日後には39歳という年齢との戦いを考えれば、1試合1試合に集中、注力する姿勢が大切だろう。
当然、パフォーマンス次第ではリーチとガンターがバックローで先発する選択肢も十分にあるが、ガンターとコンビを組むもう1人のFLは、運動量とスピードで下川甲嗣(東京SG)が安定感を印象付ける。試合中の怪我、消耗も多いバックローの特質を考えても、メンバーに厚みを持たせたいポジションではあるが、この夏のシリーズはコンディションを理由に合宿不参加のタイラー・ポール(S東京ベイ)、前回W杯でもスピード、キャリー能力を武器に活躍したファカタヴァアマト(BR東京)らが、秋のテストシリーズへ向けて復帰してくればメンバーの厚みも増してくる。
No8は、今回のチャンピオンシップではコーネルセンが務めたが、ワークレート、フィジカリティーと持ち味を見せるワイサケ・ララトゥブア(栃木ホンダヒート)、リーチらの起用も考えられる。その中で、LO同様に、理想を言えばもう一枚パンチのあるカードも欲しいところだ。セットやブレークダウンからゲインラインを引っ張り上げるようなキャリーが武器のパワーハウス系の8番だ。2015年W杯でエディーが抜擢したアマナキ・レレイマフィタイプのパワーとスピードを併せ持った8番が理想だが、パワーなら世界クラスのテビタ・タタフ(東京SG)が「超速」への適応力とコンディショニングで苦しんでいる。現行の機動力とワークレートの高い選手中心の編成で戦うのか、それともスピードの中にも“核”となるようなパワーハウスを投入するのか。ここは、指揮官の決意とチーム作りの手腕を見ていくしかない。
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