日本人未踏の200m19秒台へ 日本歴代2位でも「悔しい」水久保漱至が飛び込んだ新世界【陸上選手権】
今秋の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日が14日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた。男子200メートルは25年世界選手権代表の水久保漱至(そうし、宮崎県スポ協)が20秒14(追い風0.6メートル)で初優勝。アジア大会代表に内定した。前日13日の予選では自己ベストを0秒07更新し、日本歴代2位となる20秒07(同0.5メートル)を出していた。成長の裏には、大学院進学という決断があった。

男子200メートル決勝
今秋の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日が14日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた。男子200メートルは25年世界選手権代表の水久保漱至(そうし、宮崎県スポ協)が20秒14(追い風0.6メートル)で初優勝。アジア大会代表に内定した。前日13日の予選では自己ベストを0秒07更新し、日本歴代2位となる20秒07(同0.5メートル)を出していた。成長の裏には、大学院進学という決断があった。
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喜びと悔しさが交錯していた。初の頂点に立った水久保は「優勝できたことは、1つ嬉しいところではあるんですけど…やっぱり19秒台を目指していたので、ちょっと悔しい部分が残ったかな」と言った。日本記録は03年末続慎吾の20秒03。その先にある大台突破を本気で狙っていた。
レースは最初から飛ばした。コーナーをトップで抜け、そのまま勢いは落ちなかった。2位・林(慶大)に0秒45差の圧勝だった。
3月に27歳となった。積み重ねてきた経験、感覚を理論に落とし込んでいる。昨夏に兵庫教育大の大学院を受験し、今冬からオンラインの講義を受けている。専門的な研究を重ね、競技に生かすのはもちろん、同時に「陸上を教えたい」とセカンドキャリアを見据えた挑戦でもあった。バイオメカニクス(生体力学)などの視点から「200メートルの研究」を追求。走りへの理解が深まり、結果としてパフォーマンスが向上した。
練習は地元・宮崎を拠点に1人で行いつつ、同大学院に所属するコーチの知見も吸収している。これまで太もも裏など度重なる故障と向き合いながら、競技を続けてきた。今の自分にあったトレーニングを、根拠を持ちながら模索。「自分のやりたいこと、課題に取り組めている。色んなメニュー取り入れて、色んなアプローチをして、少しは強い体ができてきた」。技術とフィジカルの両面で進化を遂げた。
100メートルは17年に桐生が9秒98を出して以降、サニブラウン、小池、山縣が9秒台の領域に続いた。一方、200メートルは、今なお「20秒の壁」が立ちはだかる。水久保は、まず23年間破られていない日本記録、そして日本人初の19秒台に照準を合わせる。
「スパイクも進化していると思うですけど、まだ抜けていない。やっぱり末続さんは、あらためてすごい。でも超さないといけない。今回の決勝も19秒台しか見ずにやってきたのですけど、やっぱり壁を崩せなかった。これから超えないといけない壁ですね」
日本選手権の初優勝も、日本歴代2位も通過点に過ぎない。目線を高く設定し、届かなかった部分を突き詰めていく。探求の先に、日本人未踏の新たな景色が見えてくる。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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